インド/車部品展に日系が20社参加/素材メーカー、高機能で攻勢

2020年02月19日 (水曜日)

 インド最大の自動車見本市に合わせ、自動車部品展示会「オート・エキスポ2020―コンポーネンツ」が、首都ニューデリーで開催された。車載部品を手掛ける日系企業20社余りが参加したほか、ジャパン・パビリオンには16社が出展。会場では、高い機能性を強みにインド市場で需要の取り込みを図ろうとする素材メーカーのアピールが目立った。

 ジャパン・パビリオンでは、素材メーカーの初出展が相次いだ。東洋紡は、自動車の軽量化や高機能化に寄与する機能樹脂製品などを出展。エンジニアリングプラスチック(エンプラ)樹脂とゴムの双方の特性を兼ね備える同社の機能樹脂素材「ペルプレン」を用いた高速道路の道路橋用緩衝材「ペルダンパー」をアピールした。柔軟性があり、衝撃吸収力に優れ、高温での使用に耐えられるといった特長に加え、溶かして再成型することで、数回にわたりリサイクルが可能という。インドで現在使用されている道路橋用緩衝材は主にゴム製で、リサイクルに対応していない現状がある。

 東洋紡の執行役員でエンプラ事業総括部長を務める大上研二郎氏は、NNAに対し「ペルダンパーは、日本の高速道路で20年余りの使用実績がある。地場メーカーと協業し、インドの高速道路事業への参画を狙いたい」と意欲を示した。

 自動車および二輪車の内外装用プラスチック部品を手掛ける森六テクノロジー(東京都港区)は、化学専門商社である森六ケミカルズ(東京都港区)と共同で初出展を果たした。森六テクノロジーで技術研究所開発課の主査を務める中西豊氏は、「インドには20年以上前から進出しているが、これまでは主に日系完成車メーカー向けに注力してきた。自動車など大物の内外装をまとめて出来る企業として、今回の出展を機に地場の完成車メーカーにアピールしたい」と意気込みを語った。

 森六ケミカルズは、開発中の「リサイクルカーボンファイバー」から生産した二輪車向け試作品を出展。飛行機の廃材をリサイクルすることで得る炭素繊維を活用し、軽量かつ高い強度を特長とする。リサイクルでないカーボンファイバーと比べ、価格は約半分に抑えることができる。森六ケミカルズの担当者は「2020年の早期に、インド現地法人の設立を目指している。開発機能も有する商社として広くアピールしたい」とコメントした。〔NNA〕