繊維ニュース

特集 スポーツ(5)/各社からサステ素材/基幹素材を拡充/素材メーカー21春夏スポーツ

2020年02月21日 (金曜日)

 21春夏に向けた合繊メーカーのスポーツ素材商戦が始まった。サステイナビリティー(持続可能性)に配慮した素材群が各社から提案されているほか、主力の高機能素材を幅出しして打ち出そうとする動きが強くなっている。素材メーカーの取り組みを紹介する。

〈旭化成アドバンス/「エコセンサー」を本格化〉

 旭化成アドバンスは環境配慮型の素材をひとくくりにした冠ブランド「エコセンサー」の販売を本格化させる。スポーツ向けを先行し、全社横断型の基幹素材へと育成する。

 昨年の独「パフォーマンス・デイズ」でエコセンサーをお披露目しており、この時はエコ素材を表彰するグリーン・エボリューション24品番の中の1点に同社の再生ナイロンによるエコセンサーが選ばれている。

 再生スパンデックス「ロイカEF」、「ベンベルグ」、再生ポリエステル、同ナイロンといったエコ素材100%で商品化した織・編み物に、ブルーサイン認証を取得する国内外の染工場で加工したプロモート素材群をエコセンサーとして投入する。今年度で1億円の売り上げを目指している。

 このほか、新素材「モイステックスdeo」、「バイオセンサー」を投入。前者は「ベンベルグ」スパンとポリエステルとの複合素材。原綿改質を通じ消臭加工剤をベンベルグに付与し優れた消臭性能を持たせた。

 後者には、水分を吸収すると編み目が開き衣服内の熱、湿気を逃がす機能を持たせた。20春夏では、郊外型量販店経由でカジュアルシャツ向けの販売がスタートする。

〈東洋紡STC/レディース狙いで新素材〉

 東洋紡STCはレディース狙いの汗染み防止素材「ウォーターブロックEX」、メンズジャケット・シャツのニット化をにらみ開発した「クォーターフェイス」を新たに導入する。

 20春夏商戦では、アスレやゴルフ向けが堅調なため、スポーツトータルで前年を上回る販売量を見通しており、21春夏でも拡販を計画する。

 前者は肌側の汗処理方法の改良により多少の発汗ではべとつきを感じさせない機能を持たせたポリエステルニット。ゴルフやアスレシャツ向けに投入し、レディース向けの拡大を目指す。

 後者は生地の表裏に極端なゲージ差(4対1)を持たせ、表側・ローゲージ、裏側・ハイゲージとしたポリエステルニット。ストレッチ性、独特の表面感が特徴。

 既に、ドレスシャツなどの用途に薄地の「Zシャツ」、「Eシャツ」を展開しており、中肉のクォーターフェイスもそろえてメンズビジネス・カジュアルに売り込んでいく。

 ゴルフセーター向けなどに製品で展開する軽量・撥水(はっすい)ポリエステル「エスエアロ―ガード」を21春夏からは学販セーターへも提案し用途を広げる。

〈YKK「メタルックスタフ」/金属調で樹脂の軽さも〉

 「金属ファスナーのような独特の質感と、樹脂の軽さを併せ持つファスナー」。YKKは、2017年から金属ファスナーのような独特の質感と、樹脂の軽さ・耐腐食性を併せ持つ「メタルックスタフ」を、かばんなどの用途に向けて止製品・チェーン製品を販売してきた。今回、スポーツウエアやユニフォームの顧客の要望を受け、新たに開製品も開発、1月から受注を開始した。

 同社は09年に金属ファスナーの外観と樹脂の軽さを備えた「メタルックス」の販売を開始した。かばん用途はビスロンファスナータイプではエレメント(務歯)破損リスクがあるため、樹脂にガラス繊維を入れて強度を高めた。これが「メタルックスタフ」である。その後、「衣料向けのメタルックスタフが欲しい」という要望があり、このほど開製品を開発した。

 強化樹脂により金属ファスナーと同等の横引強度があり、高級感・重厚感も備える。重さは金属ファスナー(5RG)比54%軽い。ウールやダウン製品に使用しても金属ファスナーに比べ腐食しにくい。デザインの統一感を重視し、スライダーも樹脂スライダー、金属プレス調引手を用意。サイズは№5で、3色展開する。

〈帝人フロンティア/3分の2をエコ素材に〉

 帝人フロンティアは、今年で25周年を迎えたペットボトル再生ポリエステル「エコペット」を核に増強したエコ素材のラインアップを重点的にプロモートする。

 既に海外アウトドア向けに展開する素材のほとんどを「エコ素材に切り換えた」としており、2020年度でスポーツに占めるエコ素材の比率を3分の2以上に引き上げる方針。

 21春夏商戦では、「アスティ」や「シャドウリップ」を売り込んでいる。アスティはコットンライクな質感、表面感とともに吸汗速乾性、肌離れの良さなどが特徴。エコペット使いも打ち出し、Tシャツのゾーンに参入する。

 シャドウリップは引き裂きや摩耗に対する強度を引き上げたポリエステル軽量織物。凸凹がないフラットな表面感、ソフトな風合いも特徴。ダウンウエアの表地に使われるナイロン軽量織物のゾーンに攻勢をかける。

 メガブランドからのニーズに応えるため、主力の高バランス「デルタ」でもエコ素材による商品群を増強。デルタと「ソロテックス」をミックスした「デルタSLX」でもバリエーション拡充を進めており、両素材を交編した新素材をドイツ、香港、日本のメンズブランドが採用。ビジネス・カジュアルの開拓にも力を入れていく。