繊維ニュース

合繊 不織布事業/欧州市場の開拓に意欲/日本ならではの差別化で

2020年03月03日 (火曜日)

 合繊メーカーが不織布や不織布用原料による欧州市場の開拓に意欲を見せている。

 旭化成はポリエステルスパンボンド不織布(SB)の輸出を強化する。ポリエステルSBの輸出比率は現在、約30%。元々、欧米向けが主力で飲料用、フィルター用、自動車用に販売する。輸出するのは熱成形SB「スマッシュ」やメルトブロー不織布をSBで挟み込んだ3層構造不織布「プレシゼ」など。今後もこうした差別化SBを主体に欧州市場を攻める。

 その一つが新開発のポリ乳酸(PLA)SB「エコライズ」。エコライズは米国の生分解性プラスチック製品協会(BPI)によるコンポスト化可能プラスチックの認証も取得。サステイナビリティー(持続可能性)の意識が高い欧州向けに提案する。

 帝人フロンティアはポリエステル短繊維を中心に欧州市場の開拓に取り組む。主力は機能紙用ショートカットファイバー「テピルス」。近年、逆浸透膜の支持体に使う機能紙の需要拡大を背景に、テピルスも年率10%成長を続ける。海外販売比率も20~30%と高い。機能紙向けの需要増に対応し、2019年夏には松山事業所(松山市)の生産設備を1・5倍に増強した。さらに20年秋にはタイ子会社のテイジン・ポリエステル〈タイランド〉でも生産能力を20%増やす。

 欧州向けではテピルスのほか、不織布や不織布を使った繊維構造体など不織布関連商品も含めた総合力を訴求しながら、拡販を目指す。

 アジア最大級のSBメーカー、東レも欧州市場開拓に意欲を見せる。韓国、中国、インドネシアにポリプロピレンSB不織布製造子会社を擁する同社だが、現状、アジア販売が主力。20年にはインド子会社でポリプロピレンSB生産を開始することから、これを生かして欧州域内の衛生材料、生活資材分野の開拓を積極的に進める。ペットボトルリサイクル繊維「&+」関連も今後、衛生材料や生活資材向けで短繊維の販売の本格化を狙う。

 衛生材料向けではポリプロピレン製SB「リブセン」でソフトな触感を追求したタイプや環境配慮型タイプなどを訴求。生活資材用ではナノファイバー不織布や、フェースマスク用にポリエステル、ナイロン、アクリルなどの合繊短繊維によるスパンレース不織布を提案する。高白度、異形断面などのペットボトル再生繊維も紹介する。