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ベンベルグの時代 サステ機運を追い風に(6)/旭化成アドバンス/生産面で生地商支える

2020年03月09日 (月曜日)

 旭化成グループの商事機能を担う子会社である、旭化成アドバンス。同社はキュプラ繊維「ベンベルグ」を使ったテキスタイルを取り扱う生地商を生産面で支える存在だ。

 ベンベルグの生地開発に加え、納期対応力を含めた生産力も強みで、国内産地はもちろん、中国での先染め紡績糸やタイでのカバリング糸(FTY)も含めて供給体制を整える。

 実は同社がベンベルグ生地を本格化したのは2009年から。それまでは扱っていなかった。

 1999年に旭化成からポリエステル長繊維の婦人服地事業が移管されたものの、09年に旭化成がポリエステル長繊維事業から撤退。「アウターで何を売るべきかと考えた際に、ベンベルグの生地コンバーティングにかじを切ることになった」と坂元盛也アウター事業部長は当時を振り返る。

 旭化成がチョップテキスタイルを手掛け、さまざまな産元商社も取り扱う中で「いかに差別化するかを考えた。その時、ポリエステル長繊維を使った婦人服地でのノウハウを生かし、他にはない凝ったモノを手掛ける」ことになる。

 その生地開発が評価される。その一つが経糸にベンベルグ長繊維、緯糸に綿のコアヤーンを使ったストレッチ織物だ。

 ただ、染着性が異なるベンベルグと綿の同色を確立できるかがポイントだった。これを染色加工場と協力し開発、実現できたことがベンベルグ生地の拡大につながる。

 その後、短繊維複合品など、さまざまな品種を開発し販売量は着実に拡大。14年にはその実力も評価され、旭化成からチョップテキスタイルが移管された。結果、顧客数も広がり、旭化成アドバンスへ一本化してからの5年で生産量は3倍にまで拡大。20年3月期は4倍を見込むまでになった。

 そのベンベルグを担当してきたアウター事業部の遠藤良太第1営業部長は「サステイナビリティー(持続可能性)意識の高まりは、かなりの追い風。先日開いた内見会でも関心が高かった。特に海外販売に力を入れる企業はその傾向が強い」と言う。

 同社はサステイナブル(持続可能な)素材ブランド「エコセンサー」を21年3月期から本格化する。リサイクル糸などを用い、持続可能性や安全性に関する認証「ブルーサイン」「エコテックス」取得工場での加工など環境に配慮して生産するものだが、その一つがベンベルグになる。