インドネシア東洋紡グループ/「Zシャツ」内販が拡大/資材用も新規受注が増加

2020年03月09日 (月曜日)

 販売・事業統括の東洋紡インドネシア(TID)、編み立て・染色加工の東洋紡マニュファクチャリング・インドネシア(TMI)、縫製のSTGガーメント(STG)で構成するインドネシア東洋紡グループは、日本向けの生産・販売が苦戦する中、インドネシア内販の拡大に活路を見いだそうとしている。特にニットシャツ「Zシャツ」の内販が拡大しつつあるほか、二輪車・自動車向け資材で新規開拓が進む。

 3社の社長を兼務する清水栄一氏によると2019年度は総じて日本向けが苦戦した。日本国内の衣料品市況低迷の影響が大きく、特にスポーツ向けはTMIの編み立て・染色加工、STGの縫製ともに苦戦している。

 一方、「Zシャツが踏ん張っている。ビジネスシャツ用途だけでなくサービスユニフォーム用途も拡大した」。このためシャツ縫製を担うSTGの第1工場はZシャツのユニフォームの縫製を増やすことで稼働率を維持している。第2工場で生産するスポーツ衣料は採算重視の生産規模に適正化を進めた。

 TIDによるZシャツの内販も「まだ絶対量は少ないが、倍々のペースで増えている」と話す。日系シャツアパレルのインドネシア内販向けや欧米ブランドの現地ライセンス生産品などで採用が進んだ。

 繊維資材も内販が拡大した。TMIが生産する資材用編み地が二輪車・自動車のシート部材として採用が進む。従来は日本から輸入されていたが、昨年11月に当局が繊維資材・製品へのセーフガードを発動し、これら編み地も対象となった。このため現地部品メーカーが代替品を求め、TMIの商品が採用された。

 こうした動きを受け清水社長は今後に関しても「TMIは取り扱い品種を入れ替え、Zシャツやユニフォームを拡大することで日本向けの市況低迷やスポーツの不振をカバーする」との考えを示す。