繊維ニュース

この人に聞く/旭化成アドバンス 繊維本部長兼繊維資材事業部長 橋本 薫 氏/ベトナム・米国に布石

2020年03月13日 (金曜日)

 環境配慮型素材「エコセンサー」による新ブランド戦略をスタートさせる一方、ベトナムに新会社を設立しエアバッグ縫製に乗り出すなど旭化成アドバンスが相次いで新機軸を打ち出している。1月1日付で就任した橋本薫繊維本部長に近況、新年度に向けた戦略を聞いた。

  ――繊維資材で先行投資を行ってきました。

 エアバッグで縫製事業にも参入するため昨年、旭化成アドバンスベトナムを設立しました。今年は主に不織布で旭化成アドバンスアメリカを設立し、3月から営業を開始しました。繊維資材では19年度、不織布の落ち込みを車両資材、「ラスタン」、「フュージョン」などでカバーし、売り上げは前年を上回りそうです。

  ――利益の方は。

 新型コロナウィルスの感染拡大で「タイベック」による防護服の販売が急増し、既に在庫がなくなりました。土木資材なども堅調ですが、一方で新型コロナによるマイナスが今後、どこまで大きくなるかが不透明なため、見通しにくい状況です。

  ――19年度の衣料事業は。

 エコ素材を求めるニーズが強くなるに伴い、欧米アウター向けの「ベンベルグ」の輸出が急増しています。一方、暖冬やロードサイドの不振でレッグ向けの糸売り、「ベンベルグ」裏地が苦戦を続けました。

  ――20年度で中計の2年目を迎えます。

 資材トータルでは増収増益で走るつもりです。ベトナムや米国は資材部隊が頑張らなければいけない拠点。ここでの取り組みを業績に反映させます。スパッタシート向けが好調なラスタンでは、自動車や家電向けの不織布を伸ばしていきます。海外での現地供給に取り組んでいくため、タイで委託生産するための拠点を20年度中に確保します。米セージ社とは新しいカーシート地を開発する取り組みに力を入れていきます。

  ――「エコセンサー」の販売がスタートします。

 ベンベルグの輸出が今後も増えていきそうですし、スポーツでもけっこう好評です。衣料では、利益の源泉であるテキスタイルに徹底的に磨きをかけていきます。一方で裏地、レッグへのてこ入れが大きな課題です。特に、昨年10月以降、メンズ裏地の悪化が顕著でいまだに歯止めがかかっていません。現状に合わせたスリム化が必要かもしれません。