クローズアップ/日本熱中症協会 代表理事 大倉 博則 氏/熱中症対策商品の基準作る
2020年03月17日 (火曜日)
ここ数年、記録的な猛暑が続き、さまざまな熱中症対策の商品が身近になりつつある。熱中症の対策商品の普及や予防の啓もう活動のため、2月5日に一般社団法人「日本熱中症協会」が発足した。熱中症・防災用品企画製造卸のブレイン(大阪市港区)の社長で、同協会を立ち上げ代表理事を務める大倉博則氏に狙いを語ってもらった。
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――協会を立ち上げた理由は。
地球温暖化で夏場は気温が高くなる傾向にあり、熱中症の被害も増えつつあります。熱中症の被害拡大を未然に防止するための啓もう活動をしながら人々が安心して健康な生活を送れるようサポートするのが目的です。
さらに多くの企業から熱中症対策の商品が販売されていますが、本当に効果があるのか、使い方が合っているのか、製品に対する基準がないのが実態でした。商品の品質認定制度を作ることで、消費者にとってより効果のある熱中症対策商品を広げていくことも狙いです。
企業、学校、団体に向けて熱中症に関するセミナー・講習会などの開催などにも取り組んでいきます。
――これまで熱中症対策を目的とした団体はなかったのか。
一部の団体が熱中症に対する啓もう活動をしていますが、入会金や年会費が高く、大手はともかく中小企業ではなかなか参加しづらい面もありました。日本熱中症協会では正会員が入会金20万円、年会費12万円、賛助会員が入会金10万円、年会費6万円に設定しており、事業規模にかかわらず、多くの企業に参加してもらいたいと考えています。
まずは販売先や仕入れ先などに呼び掛け、参加を募っています。
――品質認定制度については。
繊維製品に特化し、審査については用途や目的に加え、使い勝手、強度、冷却、抗菌、吸水など商品の性能テストをします。さらに縫製、寸法、規格などの検査によって判断していきます。基本的にボーケンやカケンなど検査機関のデータを基準に認定の判断を下します。検査機関で品質テストを行ったことがあれば、あらかじめ検査結果を添えて依頼商品と一緒に送付してもらい判断の参考にします。
商品性能が確認、認定された場合、認定ラベルを交付し、商品に認定ロゴが入ったラベルや織ネームを付けることができます。既にブレインが展開する熱中症対策のアイスベストなど10製品には専用のラベルや織りネームを付け、今年から販売に乗り出しています。
今後も熱中症対策の商品がもっと増えてくるはずです。熱中症に対するさまざまな情報を発信しながら啓もうに取り組んでいければと思います。