ひと/ダイワボウホールディングスの次期社長に決まった西村 幸浩 氏/既成概念を乗り越えよう

2020年03月18日 (水曜日)

 4月1日付でダイワボウホールディングス(HD)の社長に就任する。「サラリーマンは“いつかは社長”を目指せと言われるけれども、いざ本当に決まると、うれしさとともに何とも言えない不安が入り混じった感覚になった」と話す。

 ダイワボウ情報システム(DIS)に入社し、営業畑を歩んできた。「入社したのはDISも設立してから3年しかたっていない時代。佐賀支店に配属されましたが、そこから九州各地の拠点開設に走り回りました」。おりしもIT時代の幕開け。「それこそ売上高が倍々で増えていく時代でした。当時の社長の方針で現場の若手営業マンは自由奔放にやらせてもらったので、楽しみながら走り回ることができました」と振り返る。

 営業一筋で走ってきた西村さんだが、転機になったのが管理部門への異動。文化の違いに戸惑うことも。「営業は失敗を恐れずに挑戦することが求められるのに対して、管理はミスがなくて当たり前の世界」。どうしても保守的になりがちなだけに、新しい取り組みに挑戦するエッセンスを注入することが西村さんに期待された役割だった。

 さらに大きな変化に直面したのが2009年。DISは大和紡績と経営統合し、ダイワボウHDとなる。「メーカーと商社でスピード感もシステムも異なる」。異なる文化をどうやって融合させるのかに努力してきた。

 新社長としてもITインフラ流通、繊維、産業機械の各事業とも変化に対応して成長することを目指す。「そのためには既成概念を乗り越えて行動することが必要。特に若い人が中心になって挑戦してほしい。それを支援する体制も作る」と強調する。「そうやって、いつも笑顔が絶えない会社にしていきたい」と話す。

 オートバイと自動車が趣味というアクティブな一面も。特にオートバイは大型車を乗りこなす。40代の頃は最高時速300キロといわれるスズキGSX1300Rハヤブサを駆って大阪から故郷の佐賀までツーリングしたことも。もっとも「さすがに危険なので、4年前からオートバイは封印中」だとか。

(宇)

 にしむら・ゆきひろ 1984年久留米大・商卒、85年ダイワボウ情報システム入社。同社常務を経て、2012年ダイワボウHD常務執行役員、17年取締役兼常務執行役員、18年取締役兼専務執行役員。20年4月1日付で社長就任予定。佐賀県出身。58歳。