カケンインドネシア/依頼企業の満足度高める/試験機器増強で納期短縮

2020年03月18日 (水曜日)

 カケンテストセンターのインドネシア法人であるカケンインドネシアは、試験依頼企業の満足度のさらなる向上に取り組む。その一つとして試験機器も増設し、納期の短縮に取り組む。

 同社はインドネシアでの試験業務と検品事業を行っている。岡野正光社長によると2019年度(20年3月期)は試験業務が堅調に推移した。SPA向けなども含めて主力の依頼企業がインドネシア生産を拡大させており、「それに合わせて通常の品質検査試験が増加し、吸水速乾性試験など機能性試験も徐々に増えている」と話す。

 インドネシアでは小売店に対して一定の割合で国産品を取り扱うことが求められるなど規制がある。このため現地で店舗拡大を進めている日系SPAなどは現地生産品の取り扱いを拡大させる必要がある。こうした需要に対して生地・製品を供給する日系繊維企業からの検査依頼が増加する構図となった。

 検品業務も「まずます堅調に推移している」と言う。現在、インドネシアにおける縫製の中心地は中部ジャワ地区。このためカケンインドネシアも中部ジャワ地区での検品体制を整備してきた成果が出ている。特にスポーツ衣料などで大口受注もあった。

 一方、主力クライアント以外からの依頼が伸び悩んでいることが課題。日本国内の衣料品市況が低迷していることに加え、中国や他のASEAN諸国との競争も激化した。

 このため20年度に関して「既存クライアントの満足度をさらに高めることが重要になる」と強調する。今期末までに試験機器の増強を進め、納期短縮などサービスの拡充に努める。