村田機械〈上海〉/ボルテックスが今年後半好転/19年業績は計画達成へ

2019年12月27日 (金曜日)

 【上海支局】村田機械〈上海〉の繊維機械事業の19年業績は、計画を達成するもようだ。リング紡績向けの自動ワインダーの中国内販は景気減速の影響を受け厳しかったが、渦流精紡機「ボルテックス」が今年後半から盛り返した。

 ボルテックスはこの1、2年、メイン顧客であるレーヨン紡績企業の業績が悪化する中、振るわなかった。今年上半期は景気減速が重なり、顧客が投資に慎重になったことで厳しい状況が続いたが、10月から好転した。原料価格が落ち着いたことや、省人化のために同機が選ばれているようだ。

 ポリエステル・綿混など、レーヨン以外の紡績でも認知度が高まってきたことも追い風になっている。ポリエステル紡績を効率化する同機の追加装置「ポリマスター」の浸透も影響している。

 一方、自動ワインダーはここ数年、綿紡績などの大手顧客が自動化を進める中、自動機タイプの販売を伸ばしてきた。ただ今年は景気減速から自動機、マニュアル機タイプともに厳しかった。そのため、来年はマニュアル機タイプの販売を挽回する新たな施策を打っていく。