ユニチカトレーディング/ベトナムに開発センター/環境配慮型を伸ばす

2020年03月19日 (木曜日)

 ユニチカトレーディングは2020年度からスタートさせる次期中期経営計画を通じて、ベトナムに開発センターを開設するなど、海外展開を加速するとともに環境配慮型素材の拡販に力を入れる。4月1日付の組織再編で新たに新事業開発室を発足。デジタル化やネット販売の浸透に対応するための新規事業の創出に取り組む。

 同社は衣料繊維事業の苦戦で14年度からの減収基調に歯止めをかけられていない。このため、4月からの新中計の実践で20年度からの業績反転を目指す。

 自社の強みに位置付ける「Z―10」や「パルパー」といった差別化糸、高機能糸を重点的に投入し岡崎工場、常盤工場の生産量を維持するとともに、海外市場へのアプローチを改めて強化し販売増を目指す。

 この間、中国、インドネシア、ベトナムで生産体制の拡充を進めてきており、新中計では「ベトナムをさらに強化する」(細田雅弘社長)一環として、4月1日付でホーチミンにアセアン開発センターを開設する。

 中国、インドネシアの現地法人にも技術系の人材を配属し、3拠点で海外のニーズにマッチした商品開発に取り組み、輸出市場に差別化素材、高機能素材を打ち出す。

 14年3月からスタートさせたユニチカトレーディングインドネシアが19年で黒字に浮上。スポーツ素材・OEMの拠点に位置付けており、今後も外注拠点の拡充を進める。ミャンマーでの事務所開設も検討している。

 同社はケミカルリサイクルを中心とする再生ポリエステルを「エコフレンドリー」ブランドで打ち出しており、将来はポリエステル長繊維全体に占める比率を30~40%まで引き上げる。

 非可食植物のヒマ(唐胡麻)を原料とするナイロン11「キャストロン」、PLA繊維「テラマック」などと統合しエコ素材トータルとしてプロモートする戦略にも意欲を示している。

 新事業開発室では、デジタル化への対応とともに、安全、安心、防災へのニーズが高まっている昨今の状況を踏まえ、土木資材や河川修復のための資材、新しい防護服の開発で新規ビジネスの開拓に取り組む。