東洋紡/最高レベルの変換効率/OPV用材料を試作

2020年03月24日 (火曜日)

 東洋紡は次世代の太陽電池として注目を集めているという有機薄膜太陽電池(OPV)をターゲットに昨夏よりフランス政府機関CEAと共同で開発してきたガラス基板のOPV小型セルやPETフィルム基板のOPVモジュールの試作に成功した。温湿度センサーや人感センサーなどのワイヤレス電源用途を中心に提案し、早期の実用化を図る。

 東洋紡はファインケミカル事業で培ってきた有機合成技術を応用し、低照度の室内用光源でも高い出力が得られるOPV用電池材料の開発に取り組んできた。開発中の材料はノンハロゲンの溶媒にも容易に溶かすことができ塗布時のむらを抑えられるため、個体差が少なく安定した発電が可能という。

 昨年6月からフランスCEAとの共同研究に着手。世界最高レベルの変換効率を実現するガラス基板のOPV小型セルを試作した。また、ガラスよりも発電材料の塗布が難しいPETフィルムを基布とするOPVモジュールも作製。電池メーカーなどへの提案を進め、2022年度中の採用を目指すという。