在ベトナム日系繊維企業/C+1継続も、先行き不安増大/新型コロナの影響は不可避か
2020年03月26日 (木曜日)
新型コロナウイルスは、在ベトナム日系繊維企業にプラスとマイナスの影響を与えそうだ。感染源である中国からベトナムへの生産シフトがさらに進むことが見込まれることがプラスの面。マイナス面は、中国からの生地、副資材仕入れが停滞することと世界経済の悪化に巻き込まれること。
在ベトナム日系繊維企業の直近業績は、一部を除いて拡大している。副資材商社、島田商事〈ベトナム〉の2019年12月期が前期比30%増収、生地販売のトーレ・インターナショナル・ベトナムの20年3月期が40%増収見込み、などがその代表例だ。生地や副資材の現地調達体制が急ピッチで整えられる同国で、チャイナ・プラスワンの流れをつかんだ。
ボーケン品質評価機構ホーチミン試験センターやカケンテストセンターベトナム試験室でも、中国、台湾、韓国資本を中心に同国で生地や副資材の企業が増えたことを背景に試験依頼が急増している。
一方、日本向けの縫製品OEM/ODMが事業の軸である商社では、テイジン・フロンティア〈ベトナム〉の20年3月期業績がほぼ横ばい見込み、ヤギ・ベトナムの19年12月期が縫製品事業で減収を強いられるなど足踏みが目立つ。日本市場低迷の影響をダイレクトに受けた格好だ。
ベトナム繊維産業全体は引き続き活況を呈しているが、日系繊維企業では先行きの不安感がかなり増している。主戦場とする日本市場の低迷に加え、新型コロナによる商流の停滞が見込まれるからだ。新型コロナに揺れる中国については、リスク分散の観点から「ベトナムへの縫製地移管がさらに進む」との見方が大勢。スペース確保という課題はあるものの、その点は在ベトナム日系繊維企業にもプラスの要素になる。
ベトナムでも休校や入国制限措置が講じられ、工場稼働の停滞による納期遅れ、営業機会の損失による商流の停滞など新型コロナでビジネスも影響を受けている。
「当初のように中国だけでの流行であればベトナムシフトという形で恩恵は受けられたが、流行が全世界に広まった今は、ベトナムにも悪影響が及ぶ可能性が非常に高い」との観測が在ベトナム日系繊維企業から出ている。




