検査機関/業務自粛地区広げる/緊急事態宣言全国拡大で

2020年04月21日 (火曜日)

 検査機関は新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う7都府県への緊急事態宣言を受け、業務対応を自粛する事業所を増やしていたが、同宣言の全国拡大に伴い、対象地域を広げ、より業務を縮小している。

 カケンテストセンター(カケン)は7都府県への緊急事態宣言と関係知事の要請を踏まえ、業務時間短縮、出勤者削減、テレワーク導入、交代出勤を東京事業所、大阪事業所、神戸の環境化学分析ラボを中心に進めてきた。全国に同宣言が広がったことを受けて、他の事業所も同様に進めていく考えだ。

 大阪事業所ではマスク関連の試験依頼(バクテリア飛沫捕集効率、ウイルス飛沫捕集効率試験など)が殺到した。「試験納期が4カ月以上かかる試験もあり、5月末まで試験受付を一時中止」している。

 ボーケン品質評価機構(ボーケン)は同宣言の全国拡大を受け、東京、大阪に加え、名古屋、岡山の拠点でも時差出勤、交代勤務、時短勤務、テレワークを5月6日まで実施する。至急予定の依頼も当面停止。窓口での受け付けは休止し、宅配便で受ける。

 日本繊維製品品質技術センター(QTEC)は7都府県への宣言以来、東部、西部、中部事業所のほか、神戸試験センター、中四国試験センターなどで、規模を縮小して営業していた。全国に拡大されたことを受け、福井試験センター、北陸試験室、高松試験室が加わり、「全事業所で時短勤務と在宅勤務を実施」する。

 ニッセンケン品質評価センター(ニッセンケン)は緊急事態宣言の対象拡大を受けて、業務対応を自粛する事業所を増やした。既に東京、大阪、兵庫の事業所や支所では、試験・検査業務以外の職員や公共交通機関を使用する職員は原則テレワークで対応。試験・検査は必要最低限の職員で業務を行ってきた。

 今回の拡大で、愛知の中部事業所と東海支所、静岡の浜松出張所、京都検査所、栃木県の両毛出張所も同様の対応になる。期間は5月6日まで。ニッセンケンは新型コロナ対応支援の一環として、マスク製品の「エコテックススタンダード100」の認証登録費用免除(新規認証取得時)を行っている。

 ケケン試験認証センター(ケケン)は7都府県への宣言で関東、関西事業所、業務・総務部が時差出勤、時短、在宅勤務を実施していたが、10日の段階で愛知県一宮市の中部事業所、獣毛総合研究所、試験技術ラボラトリーも加えた。臨時休業日も設けている。