大和紡績/カセイソーダ非使用本格化/化粧品原料使用タイプも用意

2020年04月21日 (火曜日)

 大和紡績はカセイソーダ非使用の染色加工プロセスで生産する素材を「エコセーフPR」「エコセーフCS」として打ち出し、本格的に実用化に取り組む。新タイプの環境配慮型染色加工素材としてカジュアルやインナー分野で製品での商品化を進める。

 カセイソーダは綿の精練漂白などに幅広く使用されており、染色加工工程では必要不可欠な基礎化学品の一つ。一方、強アルカリ性のため使用方法によっては繊維にダメージを与える場合もあり、使用済み溶液の廃棄には中和工程が必要なため廃水処理の環境負荷も小さくない。

 これに対して大和紡績は長年にわたって進めてきた環境負荷低減加工プロセスの研究によってカセイソーダ非使用の染色加工プロセスの開発に成功。2019年に特許も申請した。

 カセイソーダ非使用のため綿へのダメージが少なく、不純物であるワックスやペクチン、金属塩などをしっかりと分解除去できるため吸水性も損なわない。安全性に関しても国際基準をクリアしている。

 水の汚染度合いを示すBOD(生物化学的酸素要求量)、COD(化学的酸素要求量)が低い薬剤・染料を使用しているため排水の環境負荷も小さい。使用する加工剤は可能な限り自然界で分解するものを厳選している。

 カセイソーダ非使用加工をエコセーフPRとして打ち出すのに加え、化粧品の安全性基準をクリアした原料・加工剤だけを使用したタイプもエコセーフCSとして市場に投入する。カセイソーダ非使用に加えて、高い安全性を確保しながら抗菌防臭加工や弱酸性加工など機能を付与することができる。