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合繊メーカー スポーツ部門/海外拠点の増強進む/目立つベトナムへのアプローチ

2020年04月27日 (月曜日)

 合繊メーカーのスポーツ部門が海外生産体制増強への機運を強めている。中国やインドネシア、ベトナムなどに自社の拠点や外注拠点を展開しており、スポーツアパレルからの引き合いに応じたエリアで素材を供給できる体制を固めようとする動きが活発化。日本への持ち帰り企画や外・外のビジネスで新規商流を開拓しようとしている。

(堤 貴一)

 クラレトレーディングは主にベトナムの外注拠点で生産するテキスタイル、製品OEMでスポーツビジネスを拡大してきた。ベトナムでは縫製、プリントへの設備投資を続けてきており、ここに来て引き合いが急増しているという昇華プリントの設備導入を検討し始めた。

 日本国内のチーム対応ビジネスでも昇華プリントへのニーズが強まっているため、「20年中にベトナムか日本で設備投資を行いたい」との意欲を示している。

 ユニチカトレーディングもベトナムに注目する。前中期計画の期間中、中国、インドネシア、ベトナムで生産体制拡充を進めており、4月から着手した新中計を通じ「ベトナムをさらに強化する」との方針を掲げる。1日付でホーチミンにASEAN開発センターを開設するとともに、中国、インドネシアの現地法人にも技術系の人材を配属している。

 3拠点で現地のニーズにマッチした商品開発を強化。輸出市場に高機能素材を打ち出し、拡販を目指す。ミャンマー、カンボジアといった周辺国に進出するための調査にも着手しており、ミャンマーに事務所を開設することを検討している。

 旭化成アドバンスはかねてミャンマー、ベトナムに構える外注拠点の増強に力を入れてきた。ミャンマーでは縫製工場のミシンの総入れ替えで生産効率を引き上げており、今後はベトナムへも設備投資し、「製品OEMビジネスを底上げしたい」と言う。

 東洋紡STCはインドネシアの縫製子会社・STGガーメントの活用で製品OEM拡大を計画する。スポーツウエア用高機能素材のヨコ展開を考えており、ビジネス、カジュアル、学生服へも広げていく。

 「高機能素材に立脚する製品OEMを伸ばす」とし、現状で全体の45%を占める製品比率を近いうちに50%に引き上げる。

 東レは汎用品のゾーンを中心に国内外で同じ素材を生産できる体制を構築している。アパレルからの要望に応じてグローバルな生産拠点から最適素材を供給していく。

 東南アジアに構える原糸・原綿、生地、縫製の各拠点をバーティカルに連動させることでコストダウン、リードタイムの短縮、商品開発のスピードアップを実現し「顧客の満足度を最大限に高めていきたい」考えだ。