三陽商会/海外ファンドがRMBに賛同/中山現社長の処遇巡り

2020年05月13日 (水曜日)

 三陽商会に約5%を出資する投資ファンド、ひびき・パース・アドバイザーズ(シンガポール)は11日、株主総会に向けて三陽商会と対立する米投資ファンド、RMBキャピタルの提案に原則賛同する方針を明らかにした。

 RMBは次期社長について、マッキンゼー出身でカネボウ社長などを務めた小森哲郎氏を推薦。ひびきでは、三陽商会が先に発表した大江伸治副社長の社長昇格と中山雅之現社長の代表取締役副社長就任について「(経営陣に残る)中山氏の再任に反対する」とした。

 RMBの細水政和パートナーの社外取締役選任については「独立性の高い社外取締役を支援したい」とし、細水氏以外の社外取締役候補者についても原則賛同するという。

 三陽商会とRMBを巡っては、26日の株主総会でプロキシーファイト(委任状争奪戦)になる可能性が高まっている。中でも、4期連続赤字の経営責任を問う形で、中山氏の処遇に焦点が当たっている。

 4月末時点でRMBは三陽商会に約6%を出資。RMB、ひびきの両者を合わせて11%前後に比率が高まり、ファンド勢が一定の影響力を持つことになった。委任状争奪戦に向けては、RMBは機関投資家に接触、個人株主にも株主提案の合理性を訴求している。