2020年3月期業績

2020年05月14日 (木曜日)

〈減収減益に/三菱ケミカルホールディングス〉

 三菱ケミカルホールディングスの連結決算(IFRS)は、売上収益3兆5805億円(前期比6・8%減)、コア営業利益1948億円(38・0%減)、税引前利益1220億円(57・2%減)、純利益540億円(68・1%減)で減収減益だった。

 機能商品セグメントでは、機能部材サブセグメントで高機能成形材料の高機能エンジニアリングプラスチックなどの販売数量が減少したことが影響し、減収減益だった。

 今期の連結業績予想は売上高3兆3340億円、コア営業利益1400億円、純利益490億円を予想している。

〈研磨材などがけん引し増収増益/富士紡ホールディングス〉

 富士紡ホールディングスの連結決算は、売上高387億円(前期比4・3%増)、営業利益40億円(7・9%増)、経常利益43億円(8・7%増)、純利益22億円(10・6%減)だった。繊維は売り上げと利益ともに前期実績を下回ったが、研磨材と化学工業品がけん引役となり増収増益を果たした。

 繊維事業の業績は売上高97億円(15・6%減)、営業利益1億6200万円(74・4%減)となった。アンダーウエアを中心とする繊維製品は、インターネットなどでの販売が拡大したが、百貨店や量販店による売り場縮小が影響。繊維素材は採算性の低い商材から撤退を進めた。

 今期の業績については、新型コロナウイルス感染症の影響などから合理的に算定することが困難として、現段階では未定。

〈IT好調で大幅増収増益/ダイワボウホールディングス〉

 ダイワボウホールディングスの連結決算は売上高9440億円(前期比20・2%増)、営業利益328億円(44・6%増)、経常利益331億円(45・3%増)、純利益211億円(26・2%増)と大幅増収増益となった。主力のITインフラ流通事業が好調に推移し、業績をリードした。

 繊維事業は売上高716億円(4・6%減)、営業利益37億円(7・0%減)だった。合繊・レーヨン部門は除菌・制汗関連製品の販売が増加したもののコスメ用不織布や不織布用レーヨンの利益が低迷した。産業資材部門はフィルターや建築資材が好調もテントなど重布が振るわなかった。衣料製品部門はインバウンド需要減退や暖冬の影響で苦戦したが、機能性商材の受注は増加した。

 今期業績予想は新型コロナウイルス感染症による影響から現時点での合理的な算定が困難なため未定とする。

〈繊維で新型コロナの影響/シキボウ〉

 シキボウの連結決算は、売上高380億円(前期比6・8%減)、営業利益19億円(17・7%減)、経常利益15億円(24・5%減)、純利益9億8300万円(前期は14億円の損失)で減収減益だった。繊維セグメントで2月以降に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた。

 繊維セグメントは売上高203億円(10・4%減)、営業損失2億5100万円(前期は7600万円の損失)。原糸販売事業は国内市場が苦戦したが、海外市場は堅調。ユニフォーム事業は備蓄アパレル向けユニフォーム生地販売が伸び悩んだ。輸出衣料事業は順調だった。

 産業材セグメントは売上高122億円(3・0%減)、営業利益8億9千万円(21・3%減)。製紙用ドライヤーカンバス事業は、国内の洋紙生産量の減少などでカンバス需要が低迷した。

 今期の業績予想については、現時点では未定としている。

〈生産ロス削減で増益/田村駒〉

 田村駒の連結決算は売上高1110億円(前期比4・7%減)、営業利益25億円(18・4%増)、経常利益26億円(14・2%増)、純利益15億円(0・3%増)だった。卸売販売事業と輸入代行ビジネスのマイナスで減収だが、生産管理強化がロスの削減につながり増益となった。

 繊維の連結売上高は841億円(5・5%減)。そのうち国内売上高は288億円(前の期並み)、輸入は494億円(9・0%減)、輸出は22億円(25・4%増)。

 中でも衣料部門の売上高は657億円(5・6%減)で、そのうち素材販売は106億(0・3%減)、製品販売は550億円(6・6%減)だった。

 今期の業績予測については未定とした。