菅公学生服/教育ソリューション100件超/一般企業へも広がり

2020年05月20日 (水曜日)

 菅公学生服は来入学商戦、スクールとスポーツで堅調な新商品や、教育ソリューション事業を軸として、引き続きモデルチェンジ(MC)校の獲得を図る。特に教育ソリューション事業は、案件が前年から約20件増加し100件超となった。「“人作り”のニーズの高まりで、学校だけでなく一般企業などにも広がりが見えつつある」(問田真司常務)と言う。

 今入学商戦は、一部エリアの学校の統廃合などに影響を受けたものの、MC校の勝率は前年並みで推移。スクールでは「カンコーインフィニスタ」で昨年投入した詰め襟学生服「スマート&ブラック」の販売が堅調に推移した。トリアセテート糸の深い黒色のほか、「スマートなシルエットが学生に好まれている」。インフィニスタで展開する織物に近い風合いのニットシャツも、上質感やイージーケア性などで高い評価を得て「予想を超えて増販した」。

 スポーツは、「カンコープレミアム」の販売が本格化して2年目に入り、計画通り累計採用校が100校を超えた。防風性やシンプルなデザインが好評を得ている。

 教育ソリューション事業は、非認知能力の向上に向けた教育活動に評価が高まってきた。学校向けを主体とする一方で、企業、団体などでも今商戦から商談が進み始めている。具体的な案件はこれからだが、非認知能力の開発に関する社会的ニーズは高く「社員研修などへの応用を想定している」(曽山紀浩取締役開発本部長)。企業から「学校向けの案件について連携したい」といった声もあると言う。

 学童保育でも、中高生への成長を視野に入れた案件が進んでいる。

〈20年7月期は目標近くへ〉

 2020年7月期の見通しについては、新型コロナウイルスの感染拡大で体操服や水着を中心に夏物の納入が遅れているものの、スクール、スポーツとも「目標に近い数字を確保できる」(問田常務)とみている。

 来入学商戦は、新型コロナ禍でネットによる商談などが営業活動の主体になる。地道な学校との関係づくりが重要になるが、併せて商品企画も再考する。スマート&ブラックでウール混率のバリエーションをそろえるなど、企画の幅を広げる。