トンボ/海外連携などで採用校拡大へ/昇華転写の生産強化も

2020年05月21日 (木曜日)

 トンボは、学生服で海外との連携を視野に入れるほか、スポーツで昇華転写プリントの生産増強などを検討し、採用校の拡大を図る。

 高本慎一執行役員営業統括本部販売本部長によると、今入学商戦は2月ごろまで堅調に推移。その後は、公立高校の生徒数の減少や新型コロナウイルスの感染拡大に影響を受けたものの、MC校数については前年並みの約100校を獲得した。

 自社ブランド「バーシティメイト」は採用の大半を占めて比較的堅調に推移し、ライセンスブランド「イーストボーイ」も私学を中心に採用を獲得。LGBT(性的少数者)に配慮した制服も増販した。

 少子化の加速が一段と進んでいるため、海外連携に目を向ける。2月にはイタリア・ミラノの服飾学校「イスティテュート・セコリ」と産学連携の契約を締結。同国のモノ作りによる「機能性+デザイン」、着やすさといった価値を商品戦略に落とし込み、差別化を図る。

 スポーツは、自社ブランド「ビクトリー」で新素材体育着「ピストレ」の採用が堅調に伸びた。女子バレーボールチームの岡山シーガルズ(岡山市)の公式ユニフォームにも採用されるなど、ブランド認知度が向上している。「ヨネックス」も素材やデザインが評価されて採用が堅調に推移した。

 昇華転写プリントの増加傾向は今後も続くと考え、CAM(自動裁断機)とプリンターの増設を視野に入れる。

 一方、新型コロナ禍によって夏物の納品が影響を受けているほか、9月入学・新学期制の検討など不透明要因も散見。来入学商戦は受注や採寸なども「再考する時期が来ている」(高本執行役員)。