繊維ニュース

旭化成/変化に先手で企業価値高める/繊維はヘルスケアなどで伸ばす

2020年05月26日 (火曜日)

 旭化成は、新型コロナウイルス感染症による事業環境変化を好機と捉える。25日にオンライン会見を行った小堀秀毅社長は「多様性と変革力で先手を打ち企業価値の向上につなげる」と強調し、短中期的に需要減退の影響が出ると予想するモビリティーや繊維についても「抗菌やヘルスケア関連などに目を向ければ伸ばすことは可能」との考えを示した。

 2021年度(22年3月期)が最終の中期経営計画を推進中の同社は、20年度の業績を、新型コロナの影響を合理的に判断することは難しいとして未定としている。中計最終年度の係数計画(売上高2兆4千億円、営業利益2400億円)の見直しもあり得るが「目標数字を降ろすのではない。環境変化を見据えながら中身を変える」とした。

 その中でコネクトやケア、コンプライアンスなど多様なCによる持続的成長への経営基盤強化は継続推進する。その中でもニューノーマル(新常態)における従業員のための環境づくり(コミュニケーション)や事業高度化(チャレンジ)に重点的に取り組み、生産性向上を図るとした。

 3年間で8千億円を予定する投資は19年度で4千億円以上の意思決定を終えた。一方で自動車販売台数の減少や新型コロナの世界的な感染拡大もあり、今後の2年間は一つ一つを見極めながら行う。20年度の投資も現時点では決まっていないとした上で、アフターコロナを見据えて本当に必要かどうかを精査する。

 事業については、ヘルスケア領域などが安定して収益を挙げられるとし、経営リソースを優先投入して成長を加速する。半面でマテリアル領域はモビリティー分野などが厳しいと予想。自動車販売台数がもとに戻るのは数年かかるとみるが、自動運転や電気自動車をはじめとする成長が期待できる分野の需要を取り込む。

 繊維関連は全体ではなく、地域を含めて個別の判断が求められるとした。キュプラ繊維「ベンベルグ」はインドが都市封鎖を行ったことで民族衣装の需要が減少。他方、自動車関連ではカーシートなどで殺菌・抗菌のニーズが高まるとし、不織布もマスクや衛材関連で伸びる可能性があると示唆した。