三陽商会・株主総会/会社案を多数で可決/「プラン実行が許された」

2020年05月27日 (水曜日)

 26日、午前10時42分。三陽商会の本社別館(東京都渋谷区)で開かれた同社「第77期定時株主総会」で、会社提案の第3号議案(取締役9人選任)が圧倒的多数で可決された。総会後、代表取締役社長に就任する大江伸治氏は「株主(RMBキャピタル)提案でなく、会社提案が支持された。しかし、再生プランの実行に立つことが許されたにすぎない」とし、断固たる覚悟で会社を再生させると、決意を述べた。

 株主総会は会社提案の「新体制+再生プラン」と、米投資家RMBキャピタルの「取締役7人選任」案のどちらが支持されるかが、焦点となった。株主数約1万4千人・株式総数約1210万株。株主総会には当日73人が出席したが、書面(郵送)、インターネットで事前に議決権を行使できた。

 総会は中瀬雅通会長が議長となり、午前10時に開始。事業報告など淡々と進行し、株主提案の6号議案の説明場面となったが、提案側からの説明は一切なかった。

 その後、10時20分から質問に入り、「コロナ禍の中で新業態をどう考えるか」「新型コロナのダメージコントロールをどう講じるか」「資産の流動化としてギンザ・タイムレス・エイトの売却は」などといったものが出された。同38分から決議事項の採決が始まり、会社案が可決され、同45分に平穏に終了した。

 総会後に記者会見した大江氏は会社案の採決について「無条件の支持ではない」とし、「今後の事業戦略である再生プランの実行によって、信頼を勝ち得たい」と抱負を述べた。RMBキャピタルについては「株主であり、良好な関係を築いていきたい」とした。

 とはいえ、再生プランを策定してからも、新型コロナの影響は拡大。「ネット通販や仕入れの徹底抑制、販管費のさらなる削減で、ダメージコントロールを強化していく」考えを示す。150店舗の削減は既に102店舗のめどが立つ。総会後、ある従業員は「会社案可決にほっとしたが、全てはこれから」とコメントした。