東洋紡STC 21春夏インナー/オーガニック打ち出す/「ヴァイアブロック」にも期待

2020年06月09日 (火曜日)

 東洋紡STCは21春夏向けのインナー・肌着素材で、インナー業界でもサステイナビリティー(持続可能性)が注目を集めていることに対応し、オーガニックコットンで商品化した機能素材群を前面に商戦に臨んでいる。

 昨年12月に開いた同シーズン向けの東洋紡グループ総合展には「爽快コット-O」、「デオドラン-O」を出展。「けっこう注目された」といい、両素材を重点的に打ち出し拡販を目指す。

 爽快コット-Oはオーガニックコットンをミックスした綿100%の紡績糸。吸汗速乾性、清涼感に優れている。デオドラン-Oにもオーガニックコットンを複合してあり、PHコントロール性能、消臭性能も付与した。

 同社は既にオーガニック繊維に関するOCS認証を取得している。今後はよりハードルが高いといわれるGOTS認証の取得も目指し、オーガニック使いの商材であることを打ち出していく。

 このほか21春夏では、新型コロナウイルスの感染症拡大に伴い、ここに来て引き合いを集めているという抗ウイルス素材「ヴァイアブロック」をメンズ肌着も含めて売り込んでいく。

 ヴァイアブロックはアニオン性官能基を利用した高機能な抗ウイルス素材。数年前からマスクや寝装関連製品、家電用フィルターなどに向けた販売を先行させてきた。

 21春夏では、ヴァイアブロック20~30%・綿70~80%の混紡糸をレディースインナーやアウター、メンズ肌着向けに投入する。

〈中国内需開拓急ぐ〉

 東洋紡STCは日本への持ち帰りがほとんどを占めていた中国オペレーションを活用し内需の開拓を本格化させている。

 新型コロナで20秋冬狙いの取り組みは中断を余儀なくされたが現在、既に稼動している現地事務所からのアプローチを通じ客先開拓に改めて力を入れており、21春夏からアクリル「エクスラン」、ヴァイアブロック、抗菌防臭素材などの販売を立ち上げたい考えだ。