帝人フロンティア/環境素材を重点拡大/環境チーム新設

2020年06月16日 (火曜日)

 帝人フロンティアは販売量に占める環境配慮型素材の比率を60~70%に高める。開発を強化して商品幅を拡充するとともに、4月から市場に広げていくためのプロジェクトチームを立ち上げた。

 環境配慮型素材の比率は昨年秋時点で30%だったが、前下半期(2019年10月~20年3月)も着実に高まった。今後は60~70%に高める考えで、研究開発や生産技術の確立とともに、市場に広げていく取り組みも加速する。4月から技術、営業、マーケティングなどからなる環境チームを発足させ、啓もう活動を含めて社内外への発信を強化する。

 近年の研究開発は「SDGs(持続可能な開発目標)が掲げる17のテーマをどう解決できるか」(重村幸弘執行役員技術・生産本部長兼新事業開発室長)を重視して進めている。環境配慮型素材はリサイクル、生分解性、植物由来原料など各面で強化する。

 生分解性、植物由来原料素材では、ポリ乳酸(PLA)やPTT繊維「ソロテックス」などに力を入れる。ポリマー段階から研究開発を強化し、PLAやポリエステル以外の新素材開発にも取り組む。

 再生ポリエステルはマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルとも力を入れる。今年で25周年を迎えたマテリアルリサイクルの「エコペット」は、この数年で商品幅が広がった。異形断面や細繊度、強力など各面で技術開発が進み、通常ポリエステルで展開する商品の多くがマテリアルリサイクルで可能となった。異形断面では中空糸に8本の突起を放射状に配列した「オクタ」のような複雑な形状もでき、極細糸では0・3デシテックスなども「技術的な目途がつきつつある」と言う。

 このほか、フィルターなど環境負荷低減に貢献する用途や、海洋プラスチック対策素材「デルタフリーモ」などにも力を入れる。