ユニチカ/SDGsに本腰/サステ推進室に昇格

2020年06月19日 (金曜日)

 ユニチカは環境に配慮した素材群による企画提案、販売促進をグループとして強力に推進していくため、昨年5月に発足したサステナブル推進グループを7月から同推進室へと昇格させ、SDGs(持続可能な開発目標)実現のための取り組みに本腰を入れる。

 ユニチカはポリ乳酸を原料とする「テラマック」、リサイクル原料によるナイロン・ポリエステルフィルム、ユニチカトレ―ディングの再生ポリエステル「エコフレンドリー」、など環境に配慮した商材を幅広く展開する。

 テラマックを繊維、不織布、樹脂で展開しており、販売量全体に占める比率は繊維が50%、不織布、樹脂がそれぞれ25%になっている。

 繊維では、ティーバッグ向けに販売するモノフィラメントの荷動きが20年度も堅調と言う。不織布では、土壌改良に使われるバーチャルドレーン用途をテラマック・スパンボンドで開拓している。

 同社によると、2018年度までテラマックの荷動きには目立った動きが見られなかった。ところが、海洋プラスチック問題が注目された昨年以降、サステイナブル(持続可能な)素材として再び引き合いが強まり「販売量が反転した」(岡本昌司サステナブル推進グループ長)と話す。

 19年度は終盤戦で新型コロナウイルス感染症拡大の影響に見舞われたものの、テラマック全体の販売量は前年実績を上回った。

 ユニチカグループはこのほかケミカルリサイクルによるポリエステル・エコフレンドリー、リサイクル原料によるナイロン・ポリエステルフィルム、植物由来の芳香族ナイロン樹脂「ゼコット」など多彩な環境配慮型素材を構えている。

 これらの複合品を含む商品開発、顧客への情報発信・企画提案を全社横断的に推進していくため昨年5月、サステナブル推進グループを設立しており、今年は7月から同推進室へと昇格させ、SDGsへの総合的な対応を本格化させる。