三陽商会「クレストブリッジ」/新ディレクターに江角泰俊氏/豊富なデザイン経験を生かす

2020年06月25日 (木曜日)

 ファッションブランド「エズミ」の江角泰俊デザイナーが、三陽商会の基幹ブランド「ブルーレーベル・クレストブリッジ」「ブラックレーベル・クレストブリッジ」のクリエーティブ・ディレクターに就任した。21春夏シーズンから手腕を振るい、英国テイストのクリーンなモチーフに同氏のデザインを加味することになった。

 同社のクレストブリッジは、英「バーバリー」の後継ブランドとして打ち出し、15秋冬シーズンのデビュー時から「ミハラヤスヒロ」の三原康裕デザイナーがディレクションを担当してきた。今回、三原氏の契約が満了し、江角デザイナーに白羽の矢が立った。

 クレストブリッジの売り場は、従来までライセンス販売してきた「バーバリー・ブルーレーベル」「バーバリー・ブラックレーベル」の跡地に入店する形で百貨店販路を開拓。現在も全国の有力百貨店に売り場を展開している。

 一方の江角氏は、英国セント・マーチン美術大学を卒業後、英ブランド「アレクサンダー・マックイーン」などでキャリアを積み、2010年にオリジナルブランド「ヤストシ・エズミ」を創業。11秋冬シーズンから東京ファッション・ウィークでファッションショーを実施し、国内外で販路を拡大している。

 17年には、イタリアのブランド「コスチューム・ナショナル」のクリエーティブ・ディレクター(婦人部門)へ就任。18年にブランド名を「エズミ」に改称したほか、19年にはエズミのメンズラインをスタートした。20年には日本航空(JAL)の制服コンペで優勝し、客室乗務員と地上接客部門のデザインを担当した。

 同氏は「変えるべきところは変えつつ、三陽商会の強みを生かしたモノ作りを進めたい。クレストブリッジはトレンチコートのイメージが強い。得意とするアイテムでも違いを見せたい」と話す。同氏は大手企業との協業経験が豊富で、エズミの海外展を通じてバイヤーの嗜好(しこう)やトレンドにも精通している。同ブランドに「新しい風を吹き込みたい」と意気込む。