クローズアップ/ユニチカトレ―ディング 新事業開発室長 森本 恵治 氏/自社サイトの開設目指す

2020年07月02日 (木曜日)

 伸び悩む店舗販売をしり目に年々、業容拡大を続けるネット通販の業界。繊維流通における変革の波を乗り越えていくため、ユニチカトレ―ディングは今年4月、新事業開発室を発足させた。どのような取り組みを考えているのか、初代室長に就任した森本恵治氏に当面の方針、抱負を聞いた。

  ――4月から新事業開発室による活動が始まった。

 目先の利益を追求するだけでなく、2~3年後を見据えたとき、何が必要なのかを考え新規ビジネスを掘り起こすための組織として当室はスタートしました。

  ――新型コロナウイルスによる感染症拡大で多くの変化が生じている。

 衣料品の店頭販売の不振に新型コロナ禍が追い打ちを掛け、衣料品を取り巻く環境はさらに激変していくでしょう。働き方改革でビジネススタイルも変革を迫られるでしょう。あるいは新型コロナ禍で抗ウイルスとか防護といったニーズの増大が考えられます。これらの変化を見据え何か新しいビジネスにつなげられないかを考えていくことがわれわれのミッションです。

  ――電子商取引(EC)に注目している。

 当社のサイトを設けネット通販に乗り出していこうと思います。当社の産資部隊が一部で製品販売を手掛けており、こことの交通整理を行いつつ、産資関連の製品や素材メーカーらしいマスクなどの販売を今年中に立ち上げます。

  ――先にアイソレーションガウンの生産に乗り出した。

 関係省庁からの要請に基づき、シャツやユニフォーム関連で取引のあるお客さんにお願いし、空いている縫製スペースを活用させてもらっています。9月までにトータルで400万枚を供給する計画です。

  ――抗ウイルス、防護関連の取り組みについては。

 当社のユーザーが防災関連の商材をファッション分野へも広げていこうとする取り組みを検討しています。例えば、子供服向けに防護機能、抗ウイルス機能を持たせたテキスタイルを提案できれば、かなりの引き合いを集めるのではとみています。

  ――中期3カ年計画をスタートさせた。

 今年は土台作りの1年になります。まずネタ探しに力を入れ、来年から具体的な取り組みに着手します。硬くなった頭を柔らかくし、世の中の変化に柔軟に対応しなくてはと考えています。