中国ベッケンと紡績合弁/日清紡と伊藤忠
2001年12月18日 (火曜日)
日清紡と伊藤忠商事は17日、中国浙江省寧波の大手繊維企業、ベッケン(維科)グループと合弁会社を来年2月に設立し、「中国・日本および国際市場における紡織品分野での合弁事業」を行うことに合意したと発表した。
新会社は「寧波維科棉紡織有限公司」。所在地は寧波市江南出口加工貿易区にベッケンが建設している「維科工業園」。資本金は2500万ドルで、70%をベッケン・グループの持株会社、寧波維科精華集団紘芸有限公司が、25%を日清紡が、5%を伊藤忠がそれぞれ出資する。董事は9人で、ベッケンが6人、日清紡が2人、伊藤忠が1人を派遣。董事長と総経理はベッケンが、副董事長と副総経理は日清紡が出す。
紡機9万錘の設備で年間1万2千トンの紡績糸を生産する計画だ。2003年2月の操業開始を目指す。工場の設計や品質、設備管理は日清紡が主体となって行う。主な生産品種は、純綿中番手コーマ糸だが、10単~80単までの幅広い番手に対応できる工場設計にする。カード糸やポリエステル綿混糸に広げる可能性もある。
新会社が生産する糸の多くは、ベッケンが自家消費するが、出資比率程度は、日清紡が使うことになりそうだ。常州名力、杭州一綿など既存の紡織合弁や、上海駐在員事務所などを絡ませながら、シャツ、寝具素材などとして活用するものとみられる。
ベッケンは寧波の優良国有工場のグループとして98年に発足した。主な製品は寝装品、ニット衣料、織物、ミシン糸などで、今年は売上高60億元(1元=約15円)、純利益2億元の見込み。10月に工業園(約100万平方メートル)を着工し、寧波市街地に散在する工場を集中させる計画で、今回の紡績合弁もその一環。既存工場は7月から日清紡の技術指導を受けていた。