ユニチカ 機能資材事業本部/ガラス繊維を5Gで伸ばす/総合力の発揮目指す

2020年07月14日 (火曜日)

 ユニチカの機能資材事業本部は4月にスタートさせた中期3カ年計画の実践でガラス繊維事業の拡大を計画するとともに組織再編の効果と同本部としての総合力の発揮を目指す。

 同社は4月から中計「G―STEP30 1st」に着手しており、連結業績を2019年度の売上高1195億円、営業利益55億円から22年度には1470億円、110億円に引き上げる。

 4月1日付で組織再編を実施しており、機能資材事業本部を新たに設け、その傘下にACF(活性炭)、ガラス繊維、ガラスビーズ、不織布、産業繊維の5事業部を置いた。

 プロダクトアウト型の組織をマーケットイン型に進化させるとともに、これまでは各用途にバラバラにアプローチしてきた5事業部間の連携を強化し情報の共有、素材の融通などを通じ総合力の発揮につなげる。

 中計では高付加価値品のゾーンに展開するガラス繊維の拡販を強化する方針。既にCCL(プリント基板)メーカーを通じグローバルな大手スマーフォンメーカーへの販路を確保しており、5G(第5世代移動通信システム)へと移行が進むスマホ向けの伸びに期待する。

 不織布事業では、増設を実施したタイ・タスコでの業績拡大が欧米自動車メーカーの苦戦に伴い当初計画を下回っているため、「再び成長軌道に戻すべく、いろいろと手を打っている」(竹歳寛和常務執行役員機能資材事業本部長)ところ。

 コットンスパンレース「コットエース」は19年度、インバウンド需要の減退などで久々の前年割れにとどまったが、20年度は「再び拡販基調に転換できる」との手応えを示す。

 産業繊維では、膜や支持体向けの販売が好調なポリエステル短繊維を伸ばす一方、自動車向けなどで事業性を精査し不採算な品種の絞り込みを実施する。遅れているポリエステル高強力糸の増設については「20年度中に完了させられれば」との認識だ。

 ACFでは高機能フィルターのようなユニットによる販売を強化。ガラスビーズでは道路のペイント用途でのシェアアップを目指す。