南通帝人/春夏差別化品拡大で成果/20年3月期は過去最高益

2020年07月14日 (火曜日)

 【上海支局】帝人フロンティアグループで、ポリエステル長繊維の製織、染色加工を主力に手掛ける南通帝人の2020年3月期(19年4月~20年3月)業績は、4期連続で過去最高益を更新した。近年開発に注力してきた春夏向け差別化商品の拡販が貢献した。今期は新型コロナウイルス感染拡大の影響が、今後本格化するとみられることから、下半期は業務効率化に取り組む。

 20年3月期は市況が減速する中、定番品を減らしつつ、付加価値品を拡大した。これにより、売上高はほぼ前年並みだったが、利益を伸ばした。

 販売が特に好調だったのが、差別化した春夏向けのパンツ地やシャツ地。欧米系スポーツブランドを中心に採用が進んだ。「非ダウンの生地を増やすことが課題だったが、これが昨年花開いた」と三森啓章総経理は話す。

 20年4~6月は、新型コロナの影響で2、3月に滞った生産や出荷が動き出したことから、計画をほぼ達成した。今後、中国内販、欧米向けともに苦しくなることが予想されるため、「あらゆる効率化に取り組み、影響を最小限に抑える」(三森総経理)と言う。

 一方、来年春以降の回復を視野に、「世の中にないもの」に絞った開発を強めていく。