ユニチカトレ―ディング/中計で70億円増収/近々、新エコ素材をラインアップ

2020年07月15日 (水曜日)

 ユニチカグループは2020年4月から22年度までの中期3カ年計画「G―STEP30 1st」をスタートさせている。中計の実践を通じユニチカトレ―ディングは業績を19年度の売上高362億円、営業・経常利益1億円から22年度には売上高433億円、営業・経常利益10億円に回復させる。

 中計では、「エコフレンドリー」に代表される環境に配慮した素材群の拡販を計画するとともに、得意とする産業資材分野での取り組みに力を入れる。

 同社はケミカルリサイクルを中心とする再生ポリエステル「エコフレンドリー」やPLA繊維「テラマック」、ひまし油を原料とするナイロン11「キャストロン」など豊富なエコ素材をラインアップしており近々、綿や麻とは異なる新しい天然繊維をエコ素材に加える。

 産業資材では、頻発する自然災害を念頭に災害対策に貢献する繊維資材の開発を強化。コンクリート強化やトンネル修復に使われるポリエステル、「ビニロン」などで拡販を目指す。

 衣料繊維事業をバックアップするため、4月に新事業開発室を発足させた。好調なEコマースへの参入を計画しており、「今年度中にECサイトを立ち上げる」(細田雅弘社長)ための準備作業を急いでいる。

 自然災害、新型コロナウイルス感染拡大などから注目を集める感染症対策をターゲットとする商品開発にも着手した。

 海外では、ベトナム・ホーチミンにASEAN開発センターを設立。新型コロナ禍が収束次第、人材を送りこみ機械設備の導入に着手する。

 センターでは現地調達する糸、日本から持ち込む糸によるテキスタイル開発を強化し、ユニフォーム、スポーツ、感染予防衣や産業資材狙いの取り組みを考えている。