豊島/スマートな暮らし提案/生活環境向上をサポート

2020年07月21日 (火曜日)

 豊島は、スマートウエアを日常生活に取り入れる「スマート・ルーム・ビジョン」を打ち出す。スマートアパレル開発のXenoma(ゼノマ、東京都大田区)と協業するスマートパジャマに、空調服(東京都板橋区)の「空調ベッド」の技術を組み合わせるなど、多様な活用法を提案する。ファッションと先端技術の融合で生まれる新しい価値を追求し、生活環境の向上に貢献する次世代ビジネスの創出を図る。

 スマートパジャマは、センサーが睡眠状態を計測し、アプリを通じて可視化する。独自のアルゴリズムで算出した睡眠の記録、時間、推移などを確認できるほか、睡眠の質を高めるためのアドバイスも受けられる。スマートリモコンと接続すれば、パジャマの温度に合わせてエアコンを制御することも可能になる。

 さらに、空調ベッドと組み合わせることで、空調ベッドの冷却ファンをパジャマの内側の温度に応じて自動で制御する。

 物をインターネットにつなげるウエアラブルIoT製品を開発・販売するミツフジ(京都府精華町)のスマートウエアブランド「ハモン」も品ぞろえに加えた。開発中のコンプレッションウエアは、体の動きが激しい場面で体調管理に活用できる高機能性を訴求する。

 乳児の「うつぶせ寝」による死亡事故を防ぐセンサーも、新規に提案する。

〈サステ素材拡充〉

 豊島は21春夏に向け、素材作りに対するサステイナブルな企業姿勢を示すステートメント「マイ・ウィル」に沿って、ブランド拡充を進める。

 「フィルコア」は、ビスコースとレンチングのレーヨン繊維「エコヴェロ」の精紡交撚糸。セルロース特有の柔軟性と上品なハリ感を兼ね備えている。アパレル以外の用途にも提案する。

 「エコリッチ」は、コットンとポリエステルの裁断くずから生まれた100%アップサイクル糸。無染色で水を使わないため、エコ素材としての訴求力が高い。

 「リンクルエアー」は、アセテート糸「ナイア」を進化させた。接触冷感性や発色性などを併せ持つ多機能性が特徴。素材によっては生機を備蓄している。

 これらの新商材を打ち出すほか、生産農場と紡績工場までさかのぼって状態を特定できるトルコ産オーガニックコットン糸「トゥルーコットン」の拡販を進める。布帛調ニット「ワンダーシェイプ」は、染色工程で水を循環的に使用する点などを訴求し、ブランド価値の再構築を図る。