帝人/エアバスが「テナックス」採用/年商900万ドル目指す
2020年07月27日 (月曜日)
帝人の炭素繊維「テナックス」を用いた中間材料がこのほどフランス・エアバス社の主力旅客機である「A320neo」の主翼スポイラーの部材に採用された。
同主翼スポイラーは世界有数の航空機構造部材メーカーであるスピリット・エアロシステムズの英国拠点で生産されている。
今回採用された「テナックスDRNF」は表面が滑らかであるため、母材となる樹脂がシート上で均一に浸透しやすく、従来の航空機向け高性能熱硬化プリプレグと同等の物性を持つという。
「テナックスDRBF」は炭素繊維を三つ編み構造の組みひも状にしたもので高い伸縮性があり、シート状中間材料から成る複合材料製の航空機部品に生じる空間を埋めるフィラー材の役割を果たす。
両素材の組み合わせによる炭素繊維複合材料のスポイラーはスピリット社でRTMにより成形されるため、従来のオートクレープ成形に比べ生産性やコスト効果などが優れているといい、この点が評価されて今回の採用に至った。
帝人は航空機向け炭素繊維製品のマーケットリーダーとしてソリューション提案力を強化し、2030年ごろをめどに航空機向けの売上高を900万ドルに引き上げる。