NASA火星探査機に採用/帝人「テクノーラ」

2020年08月05日 (水曜日)

 帝人のパラ系アラミド繊維「テクノーラ」が7月30日に打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)の無人火星探査機パーセヴェランスに搭載された着陸用パラシュートのサスペンション・コード(吊り下げ用のコード)、ライザー(サスペンション・コードなどを連結させる帯)の素材に採用された。

 テクノーラは同一重量において鉄の8倍の強度を持ち、耐衝撃性、耐熱性にも優れているため、ロープやエンジンのタイミングベルト、航空宇宙用途などで幅広く活用されている。

 2012年に打ち上げられたNASAの無人火星探査機キュリオシティにも使われており、この時は9Gの重力、約2万7千キロの荷重に耐えた。

 今回のパラシュートは3万キロを超える荷重、平均気温マイナス63℃、砂塵嵐や大気電気といった過酷な環境にも耐え得ることが実証されているという。