帝人 木下製網/世界初のフイルム製漁網/超高分子量ポリエチレンで

2020年08月06日 (木曜日)

 帝人と木下製網(愛知県西尾市)は、帝人の高強度で高弾性率、耐摩耗性に優れる高機能ポリエチレンテープ「エンデュマックス」による世界初のフィルム製高機能漁網「MX―4」を共同開発した。木下製網が8月上旬から本格販売を開始する。

 漁網には漁法、魚種、海洋環境などによりさまざまな種類があり、特に網に大きな負荷がかかる旋網漁では繰り返しの使用によって網目が大きく収縮する。網の形が崩れ魚を囲い込む性能が低下するため、頻繁に修繕や交換を行う必要があるという。

 このような課題解決のため、両社は長期的に寸法が安定し、優れた強度、耐摩耗性を実現することでメンテナンスの頻度を下げられる世界初のフィルム製高機能漁網MX―4を開発した。

 エンデュマックスと世界有数の無結節網の編網機を保有する木下製網の製造技術を組み合わせることで開発に成功した。

 数百回を超える投網後でも収縮しにくく擦れによる破網も起こりにくいため、長期にわたり安心して使うことができる。

 網の新調、仕立てに要する手間を低減できるため、漁業者の作業効率、コスト効率が向上する。さらに、網が長持ちするため、廃棄の頻度が減り、海洋環境の維持にも貢献する。

 木下製網は旋網漁業を皮切りに、国内外の養殖網、定置網、トロール網などをターゲットにMX―4を投入。エンデュマックス使いの漁網のバリエーション拡充にも力を入れ、2025年までに販売規模を年間50トンに拡大する。