「ミラノ・ウニカ」/オンライン展示会を開発/コロナ禍で新サービスを

2020年08月13日 (木曜日)

 世界的なテキスタイル見本市であるイタリアの「ミラノ・ウニカ」(MU)は4日、独自のオンライン展示会プラットフォーム「e―ミラノウニカコネクト」を開発したと発表した。新型コロナウイルスの影響でリアル商談機会に制限がある中、デジタルツールを活用した新たなサービスを展開する。

 日本貿易振興機構によると、このプラットフォームは、出展企業と製品の中から指定の項目にフィルターをかけ、希望の製品や企業を迅速かつ正確に探し出せる検索機能を持つ。商談したい相手にコンタクトをとってチャットやビデオ通話を行う機能も備える。1つのプラットフォームで全て完結する。

 サイト上で閲覧できる出展企業情報には段階を設ける。登録者は各企業の主要情報などにはアクセスできるが、完全版の製品カタログを閲覧したい場合は、出展者にアクセス権限を求めることが必要。出展者側が許可を出すと専用エリアに接続でき、製品の閲覧や気になった商品の保存、サンプル提供の依頼が可能になる。

 展示会のオンライン化は、イタリアでは紳士服見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ」(以下ピッティ)が先行している。今回のe―ミラノウニカコネクトは、ピッティとのパートナーシップの下で開発された。ピッティはオンラインプラットフォーム「ピッティ・コネクト」を既に立ち上げており、7月から運用を開始している。

 コンテンツの内容は似ているが、e―ミラノウニカコネクトの場合、現状ではプラットフォームへのアクセスはMUが選定した出展者とバイヤーに限定している。ピッティ・コネクトは出展者の基本情報を広く公開している点で異なる。

 MUは年2回開催され、次回は9月。現時点では既存のリアルでの展示会と今回開発したe―ミラノウニカコネクトとが、実際にどのようにリンクされているのかは不明。MUは、リアルとバーチャルの展示会を融合し、いつでも、どこからでもアクセスできるようにしていく考え。オンラインとオフラインの最適なバランスを模索していくものとみられる。