東洋紡STC ユニフォーム事業部/抗ウイルス「ナノバリアー」伸ばす/「Zシャツ」・綿100%も開発中

2020年08月25日 (火曜日)

 東洋紡STCのユニフォーム事業部は新型コロナウイルス感染拡大の影響が10月以降、顕在化してくると見通す。2020年度は新型コロナ禍に伴い売れ行きが好転している抗ウイルス素材「ナノバリアー」の拡販を計画するとともに、エコ素材の市場浸透を目指した商品開発、企画提案を重点的に取り組む。

 同社によると、備蓄ワーキング向けの販売が低調だった一方、企業別注で大型案件を獲得できたことなどから、19年度は「予算を達成するなど全体としては良かった」(林英昌ユニフォーム事業部長)と言う。

 20年度は、7月ごろまでは新型コロナ禍の影響をそれほど受けていないとしているものの下半期以降、顕在化してくるとの懸念を強めている。

 このため、新型コロナに伴い販売が好調なナノバリアーを打ち出すとともに、用途拡大のための開発を強化し一層の拡販を目指す。

 ナノバリアーは医療介護や食品白衣向けの販売が好調なほか、一般の介護衣料や病院白衣、ドレスシャツなどからも引き合いを集めているという。

 ポリエステル高率混を中心に販売しており、用途を広げていくためドレスシャツ向けの高機能ニット「Zシャツ」への転用、綿100%によるナノバリアーの開発を急いでいる。

 Zシャツや「Eシャツ」はカジュアル過ぎない質感が受け入れられテレワーク普及に伴う在宅需要などで今年も販売は順調という。スクール向けも含めて販促を強化し20年度も両素材の拡販を計画する。

 バイオ由来のポリエステル「エコールクラブ・バイオ」や生分解性素材「ダース」への引き合いは昨年に比べトーンダウンしているものの、これらの素材は「はやり廃りで扱う商材ではない」としており、今後も継続して開発を強化し市場浸透に取り組む。

 今春はグループ総合展の開催を見送ったものの、12月に21秋冬展の開催を目指しており、東西の会場を既に押さえ来秋冬に向けた企画開発を急いでいる。