テイジン・ポリエステル〈タイランド〉/産資分野は回復早い/衛生、環境、生活分野を強化

2020年09月07日 (月曜日)

 帝人グループのポリエステル長・短繊維製造タイ子会社、テイジン・ポリエステル〈タイランド〉(TPL)は新型コロナウイルス禍によって受注が減少するなど打撃を受けたが、ここに来て産業資材分野を中心に回復傾向となっている。さらに衛生、環境、生活分野に向けた商品開発も強化し、“ウイズコロナ”時代への対応に取り組む。

 同社によると2020年度第1四半期(4~6月)は衣料向け、産業資材向けともに新型コロナ禍による需要減退に見舞われ、一部で生産調整も実施している。特に自動車関連はタイの自動車生産台数減少の影響が大きく、市況が低迷した。

 ただ、現地のサプライチェーンそのものには大きな支障は発生しておらず、用途・産業ごとに濃淡はあるものの総じて4~6月を底にして段階的に回復するとみる。特にタイ国内の一般産業資材の需要回復のペースは速く、一部の取引先企業はフル操業を回復するなど好材料が出てきた。

 20年度は前期比若干の減収減益となる見通し。ただ、不織布用短繊維や工業用長繊維などはタイの自動車産業に深く依存した事業構造となっていることから、新型コロナ禍が長引くと取引先企業の経営基盤が弱体化することへの懸念もある。

 このため今期は自動車以外に衛生、環境、生活分野など“ウイズコロナ”時代の需要に向けた継続的な商品開発や生産効率向上による利益率引き上げなどに重点的に取り組み、新型コロナ禍による打撃をカバーすることを目指す。