帝人フロンティア/重点分野をさらに強化/環境素材の幅広げる

2020年09月10日 (木曜日)

 帝人フロンティアの繊維素材本部は今下半期(2020年10月~21年3月)、重点分野を明確にしてポートフォリオを変えていく。スポーツのグローバルアパレル向けや環境配慮型素材などを重点分野に種まきを行い、来期からの反転攻勢につなげる。

 今上半期はテキスタイル、原料とも新型コロナウイルス禍の影響を受けている。テキスタイルはスポーツのグローバルアパレル向けなどが苦戦し、原料は一部の特殊糸が堅調なものの、衣料用途を中心に動きが鈍い。インテリアの一部が堅調なほか、7~9月から自動車用途が回復に転じるなど明るい兆しもあるが、10~12月も市場環境に大きな回復はないとみている。

 門脇秀樹繊維素材本部長は「既存のビジネスは仮に戻ったとしても従来の70~80%まで」とし、新しい取り組みでカバーしていく考えを示す。攻める分野を明確にして今下半期から種まきを行い、来期は前年比増を狙う。

 テキスタイルのスポーツはグローバルアパレル向けを中心に拡大を狙う。国内外で生産拠点を広げながら素材の幅を広げ、新しい柱を作っていく。日本では帝人加工糸などグループ会社を核に開発を強化し、海外ではタイやインドネシアなどASEAN生産を拡充する。

 ユニフォームはストレッチや高通気性など機能性を持つ素材を広げてきた効果が出ている分野で、今後も商品幅を広げながら拡大を狙う。特に別注や白衣に注力するほか、官需を中心とする海外市場向けも伸ばす。スポーツとユニフォームの融合による素材開発にも取り組む。

 原料は環境配慮型素材に力を入れる。再生ポリエステル「エコペット」による機能糸の商品幅を広げるとともに、植物由来素材や原着糸などにも注力する。