三菱ケミカル/ポリエチレンの用途拡大へ/マスクの製品売りも

2020年09月15日 (火曜日)

 三菱ケミカルは、愛知事業所(愛知県豊橋市)にあるポリプロピレン紡糸機を活用して生産するポリエチレンの用途拡大へ取り組む。今秋からマスク製品の試験販売を始める。

 ポリエチレンの紡糸は2018年から寝装、スポーツウエア向けで始め、その後カーペット用途へも広げている。国内では競合他社がモノフィラメントのポリエチレンを供給するが、同社が生産するマルチフィラメントタイプは少ない。マルチフィラメントは風合いが柔らかく、裁断しやすいなどの特徴がある。繊度は167デシテックス(T)、440Tの2タイプを用意する。

 マスク用は、銀系抗菌剤を練り込んだポリエチレンと綿を交編した生地を製品化して販売する方針で、今秋に試験販売を行う。冷感や抗菌機能を訴求して浸透を図る。試験販売の結果を踏まえて来年から本格販売したい考えだ。

 カーペット用途では、BCFナイロン長繊維のキラビスと交撚して供給する。熱伝導性のあるポリエチレンと吸湿性のあるナイロンを組み合わせることで、高機能の冷感カーペットを可能にする。試作もしており、21春夏での展開を図る。