カケン京都検査所/撥水試験に接触角測定/濡れの程度を定量化

2020年09月16日 (水曜日)

 カケンテストセンター(カケン)の京都検査所は昨年から「接触角測定」を開始している。水をはじく評価として撥水(はっすい)性がある。通常のJISの撥水試験では目視判定による5段階評価しかできなかった。これは落とした水滴と生地表面との間の角度を測るもので、細かく数値化できる。

 液滴が個体に付着したとき、液滴が球体状となって転がることや、逆にベタッと濡れ広がることがある。この濡れの程度を定量化するのが接触角である。

 濡れ方は付着した液体と固体表面の表面張力、液体・個体の界面張力の値に依存する。測定では、サンプルに液滴を落とし、サンプル表面の液滴に光を当て、反対側のカメラから液滴の画像をとらえ、ソフトウェアで解析、接触角を算出する。個体と液滴との間の角度が大きいと濡れにくく、小さいと濡れやすい。角度が大きいほど奇麗な円に近づく。

 「繊維だけでなく、プラスチックや金属などでも試験が可能」で、接触角だけでなく、「動的前進/後進角(拡張収縮法)、表面自由エネルギー(OWRK法)の測定もできる。