クラボウ/新型コロナに効果確認/抗ウイルス機能繊維加工で

2020年09月24日 (木曜日)

 クラボウは23日、同社の抗菌・抗ウイルス機能繊維加工技術「クレンゼ」で加工した繊維素材に新型コロナウイルス(SARS―CoV―2)に対する抗ウイルス効果を確認したと発表した。

 クレンゼは抗菌成分を繊維に固定化する加工技術。繊維上に固定化された薬剤に接触した細菌やウイルスの外膜に変化を生じさせることで細菌の増殖を抑制し、ウイルスの数を減少させる機能がある。これまでインフルエンザウイルスなどを対象に高い機能を確認していた。

 今回、クレンゼで加工した織物(綿92%・ポリエステル8%混)とニット生地(綿100%)を対象に新型コロナウイルスに対する抗ウイルス性試験(「JIS L 1922 繊維製品の抗ウイルス性試験方法」を準用)を日本繊維製品品質技術センターで実施。この結果、繊維上の新型コロナウイルスが99%以上減少することを確認した。洗濯50回後でも同様の結果を得ている。

 現在、市場に流通している抗ウイルス加工の多くはインフルエンザウイルスなどを対象に機能を確認しており、一部で通常のコロナウイルスであるコロナウイルス(ヒト)などに対する抗ウイルス性を確認したものもある。ただ、新型コロナウイルスそのものを対象に抗ウイルス性を確認したものはあまり例がない。

 新型コロナウイルスに対する抗ウイルス性を確認したことで、クレンゼへの注目がさらに高まることになりそうだ。