トンボ/21年度395億円を計画/瀧本黒字化で増益目指す

2020年09月30日 (水曜日)

 トンボは、2021年6月期連結決算で売上高395億円(前期384億円)を計画する。前期は3期連続で最終利益が減ったが、昨年子会社化した瀧本の黒字化、利益重視の経営に取り組むことで増益への転換を目指す。中期経営計画の最終年度(22年6月期)には売上高400億円を目標としているが、組織改革などを通じて達成を目指す。

 新型コロナウイルス禍で例年より組織改革の時期を調整したものの、9月から大幅な改革を推進。ネット通販強化のための「EC事業部」、海外進出のための「海外業務部」、学校に提案する制服のグレードアップに向けた「デザイナー室」を設置する。

 瀧本は黒字化に向けて、トンボ本体との生産背景の共有化、海外生産比率の向上などに取り組む。制服販売ではネット通販をこれまで以上に強化する。

 20年6月期は、新型コロナの影響で買い替え需要などが減少したものの、瀧本の子会社化もあってスクールをはじめ主力3事業で前期実績を上回った。売上高は5期連続で過去最高を更新した。

 一方、最終損益は物流費や人件費、原材料費の高騰で3期連続の減益となった。全社でコスト削減にも努めたが、在庫の増加が利益を圧迫していることから今後の対策を進める。

〈20年6月期は増収減益〉

 トンボの20年6月期決算は、売上高384億円(前期比31・9%増)、営業利益13億円(2・2%増)、経常利益14億円(3・7%増)、純利益7億円(18%減)と増収減益だった(連結対象となった瀧本の増減含む)。

 スクールは、瀧本と合わせて大都市圏を中心に制服モデルチェンジを獲得し、福岡ではLGBT(性的少数者)に配慮した制服の採用が進むなどして売上高が303億円(39・1%増)となった。

 スポーツは、「ヨネックス」ブランドで50校、全体で200校の採用を獲得し、売上高が56億円(16・5%増)。ヘルスケアは21億円(0・7%増)と微増だったが、ネット通販の進展で利益面では貢献した。

 今期は売上高395億円、営業利益15億円、経常利益16億円、純利益10億円を計画。部門別売上高ではスクール311億円、スポーツ58億円、ヘルスケア22億円を想定する。