明石SUC/過去最高に次ぐ実績積み上げ/新規採用校の獲得で安定感

2020年10月02日 (金曜日)

 明石スクールユニフォームカンパニー(明石SUC)は、来入学商戦に向けて制服モデルチェンジ(MC)の獲得が進んでいる。一部で新型コロナウイルス禍の影響を受けているが、河合秀文社長は「100件を大きく超えて過去最高となった今入学商戦ほどではないものの、安定した実績を積み上げている」と話す。2021年5月期に目標とするグループの売上高275億円(前期269億円)の達成に向けて取り組む。

 スクールでは新型コロナの影響を受けながらも、過去最高の採用件数を達成した前年に続き、特に中学校で堅調に採用を得ている。公立校の生徒数の減少が影響し、私学などの案件も引き続き増える傾向にあると言う。

 スポーツと、介護など企業ユニフォームは新型コロナ禍で苦戦しているが、感染防止対策を徹底しながら取引先への営業を継続し、売り上げの維持拡大を図る。

 来春に向けて“3密”を避けた採寸など、学校側と具体的な打ち合わせを進めている。IT技術による効率化も視野に入れ、リモートによる採寸なども検討している。

 20年5月期の連結決算は前期比増収減益となり、11期連続で増収だったものの、最終利益は3期連続で減益となった。新型コロナ禍で衣料品の使用シーンが制限され節約志向が高まり、人件費など各種費用が上昇する中で「品質の高い商品は一定のコストが必要になることを改めて周知する」。店頭商品では既に値上げを進めているが、「学校案件も(条件ごとに)制服の価格改定をお願いしていく」。

〈SDGsを新指針に〉

 明石SUCは、来年からSDGs(持続可能な開発目標)を新たな企業指針とし、取り組みを強化する。スローガンは「倉敷発、地球品質。」で、制服のモノ作りを通じて子供たちの成長に寄り添いながら「環境」「命」「絆」を守る活動を展開する。

 「環境」では地球資源を大切にした事業を進め、子供たち一人一人の倫理的な(エシカル)意識を育む。「命」は災害や気候変動からそれぞれの命を守れるよう、防災教育や安全対策の充実を促す。

 「絆」では世界中の誰もが平等に扱われ、共に学び、成長できる健やかな社会を目指すための事業を推進。国際協力やLGBT(性的少数者)の人々の支援、働きやすい環境作りなどを展開する。

 業務は、昨年立ち上げた経営企画室の経営資源アドバンスプロジェクトで進める。このほど特設サイトも開設し、アピールを始めた。河合社長は「10年間で進捗(しんちょく)を確認し、より良いものにしていく」としている。