クラボウインターナショナル/素材からの差別化を加速/抗ウイルス、匠のデニムなど

2020年10月07日 (水曜日)

 クラボウインターナショナルは主力の製品OEM事業で、素材から差別化した商品開発を追求する。その一環としてこのほど新型コロナウイルス(SARS―CoV―2)に対する抗ウイルス効果が確認されたクラボウの抗菌・抗ウイルス機能繊維加工技術「クレンゼ」を使った製品や、強みとする複合素材、デニム使いなどの訴求を強める。

 上半期(2020年4~9月)業績は前年同期比減収減益だった。ただ、主力のカジュアル衣料品が大きく減ったものの拡大分野に位置付けるユニフォームや海外向け生地販売は好調に推移した。匠の技が海外顧客に認知されるデニムや、クラボウ徳島工場で加工した特殊な複合素材が市場に受け入れられた。

 今後も素材からの差別化戦略を加速させて生地販売の拡大、製品OEM事業の反転を期す。ユニフォーム向け生地をアパレルと一体になって開発するほか、複合素材開発を改めて強化する。その際は、クラボウの各国内工場、タイ・クラボウ、大正紡などとのグループ連携を推進する。

 とりわけ、抗菌・抗ウイルス加工技術、クレンゼに対する引き合いが急激に活発化していることから、同加工生地を使った製品提案を食品白衣などのユニフォームやタオル、一般衣料向けに提案していく体制を整える。

 クレンゼは以前から縫製品への使用を中心に取り扱ってきた。当初の担当者は2人で販売先も3社だった。新型コロナが発生した半年前に3人で4社に増え、現在は10人で20社以上と取引するなど拡大が顕著という。