担当者に聞く ユニフォーム最前線(4)/東洋紡STC ユニフォーム事業部長 林 英昌 氏/「ナノバリアー」が好調

2020年10月08日 (木曜日)

  ――2019年度の業績は。

 全体としては良かったと言えます。備蓄ワーキング向けは低調でしたが、企業別注で大型案件を取れたことなどで予算を達成できました。が、20年度は厳しさを増しており、先行きを見通しにくくなっています。

  ――20年度の市況をどう見る。

 7月くらいまでは極端な落ち込みは見られませんでした。しかし、ユニフォーム事業が企業業績に大きく左右されることを考えると、今後は予断を許しません。10月以降、厳しくなってくるとみています。

  ――新型コロナウイルス禍に伴う特需は。

 医療介護向けや食品白衣向けの販売は昨年よりも好調です。仕事中に着替える回数が増えているようです。これまではいまひとつだった抗ウイルス素材「ナノバリアー」の販売がコロナ禍以降、好転しました。普通の介護衣料や病院白衣だけでなくドレスシャツのようなユニフォーム以外の用途からも多くの引き合いを集めています。現在、「Zシャツ」向けの抗ウイルス素材や綿100%のナノバリアーを開発中です。

  ――高機能ニット「Zシャツ」、「Eシャツ」は好調を維持している。

 サービス向けの販売は昨年同様、順調です。ドレスシャツでも、テレワークの普及に伴い、あまりカジュアル過ぎないZシャツの質感、風合いが受け入れられ、既に来年度に向けた販売計画もいただいています。その分、シャツ向けの薄地織物の荷動きがもうひとつですが……。

  ――「エコールクラブ・バイオ」のようなエコ素材の販売状況は。

 昨年はバイオや生分解性素材「ダース」への要望が強かったのですが、今年は新型コロナ禍もあってトーンダウンしています。しかし、これらははやり廃りで取り組むべき商材ではありません。引き続き地道に開発、提案に力を入れていきます。

  ――電動ファン付きウエアについては。

 21春夏からOEMによる取り組みを立ち上げます。中国でウエアを生産し、あるお客さんに供給していきます。新規参入ですから、こつこつ取り組みます。

  ――来シーズンに向けた企画提案をどうする。

 12月にグループ総合展を開催する方向で検討しています。会場の予約は済ませました。しかし、お客さん側が来場をちゅうちょする可能性もあり、ウェブ展に切り替えることになるかもしれません。