東洋紡ユニプロダクツ/需要掘り起こす開発を/ニット製生地・製品など

2020年10月08日 (木曜日)

 東洋紡ユニプロダクツ(大阪市中央区)のスクールユニフォーム事業部は、需要を掘り起こす商品開発と提案に力を入れ、生地、製品ともにシェア拡大を狙う。

 2021年入学商戦は現時点で、生地販売、製品販売ともに前年同期を下回る推移。新型コロナウイルス禍で学生服アパレルとの商談が停滞していることや、学校イベントの休止などを背景にアパレル在庫が増えていることが要因とみられる。

 新型コロナ禍で新しい商談の在り方も模索する。リモート営業体制を整備するほか、生地のサンプルブックを改編して営業活動の補完ツールとして役立てる。同時に、「生地の在庫管理を徹底する」とし、イチ押し商品の明確化や生地種の集約化を進める。

 21入学商戦に向けては工場人件費、原材料費、物流費などの高騰を背景に生地価格の引き上げを各取引アパレルに要請したが「おおむね理解を得られた」と進捗(しんちょく)に手応えを示す。一方、根強い低価格要求に対しては、海外製生地への切り替えや縫製仕様の簡素化などで取りこぼしのないよう対応していく。

 改めて重視するのが商品開発。新型コロナ禍でとん挫したもののこの間、トリコット製のシャツ地とシャツを新投入するなど開発力の向上に取り組んできた。数年前に投入したニットジャケット向けの編み地販売も堅調に推移する。

 今後もカジュアル傾向、低価格化、織物から編み地への置き換えなどが強まる可能性を踏まえ、「変化を見極めて需要を掘り起こすような新商品を投入していく」ことを重視。その際には糸、生地、縫製品それぞれで東洋紡グループの総合力を活用する。