機能と持続可能性 北陸ヤーンフェア(中)/サステ素材が一堂に

2020年10月08日 (木曜日)

 今回の北陸ヤーンフェアは「サステイナブル&ファンクション」をテーマとしており、多くの企業がサステイナブル素材を提案する予定だ。リサイクル、植物由来、生分解、環境認証取得素材など各方面からサステ素材がそろい、新商品も多く披露されることになる。

 再生ポリエステルでは、バージン原料と変わらない品ぞろえを実現する方向性が見られる。品質、機能、風合いなど各面で通常糸と変わらない扱いができるようになってきており、ケミカルリサイクルだけでなく、マテリアルリサイクルで可能な糸種が大きく広がっている。

 東レは再生ポリエステル「&+(アンドプラス)」で、通常ポリエステルと同等の品質・品ぞろえを実現し、今回展で披露する。これまでは市場になかったためにリサイクル素材化が難しかった品種も可能になるという。

 帝人フロンティアは25周年を迎えた「エコペット」をメイン素材の一つに出品する。エコペットは異形断面や細繊度を含めてほぼ全ての品種が可能となっており、今回展ではサステイナブルに機能性と感性を加えた提案を行う。

 蝶理は「エコブルー」をサステイナブル素材の総合ブランドに発展させ、再生ポリエステルでの幅広い品ぞろえを実現するとともに、再生ナイロン、PLA、植物由来ポリエステルなども扱う形にする計画だ。

 再生ポリエステルを色糸で在庫してブック帳展開する動きも見られる。増井は再生ポリエステル「エコリンク」を新たに展開し、北陸ヤーンフェアで披露する。エコリンクは新たに展開するブック帳にも掲載し、色糸でのストック販売も行う予定。タロダは前回展でペットボトルからの再生でストレッチ性も持つ「エコッタα」を紹介したが、新たに衣料品からの再生ポリエステル糸についてもブック帳展開を予定している。シモムラは帝人フロンティアの再生ポリエステル「エコペット」や「ソロテックス」の染め糸をブック帳展開する中、抗菌などの機能を付与した商品も披露する。

 ラメ糸でもサステイナブル素材が注目されており、キョウトテックスは、フィルムと糸の双方をリサイクル素材にしたラメ糸を披露する。泉工業は生分解、再生、バイオ原料の3種のフィルムを使った糸を紹介する予定だ。