菅公学生服/21年売上高は371億円へ/デジタル技術活用など業務改革

2020年10月15日 (木曜日)

 菅公学生服は、2021年7月期連結決算で売上高371億円(前期370億円)、経常利益5億円(同3億円)を目標にする。前期はコスト削減が奏功し3期ぶりに最終損益が黒字化したが、今期も物流センターや工場など供給面の効率化などでコストを抑え、デジタル技術の活用など業務改革を進める。

 スクールとスポーツで計画を達成した前期と同様に、エリアごとの営業活動を強化。制服モデルチェンジ(MC)校数の維持拡大を目指す。スポーツでは「カンコープレミアム」など自社ブランドの採用が堅調に推移しており、今期も拡販を強める。

 同社は昨年末、宮崎県都城市や前橋市で大規模な物流センターを立ち上げ、運用を着実に推進している。工場でも人工知能(AI)やモノをインターネットにつなげるIoTを活用し、事務作業などの効率化を展開。こうした生産・物流面での業務の効率化を進める。非接触型のスマート採寸など先進的な仕組みを導入する。

 教育ソリューション事業では、キャリア教育、人材育成、学校魅力化、働き方改革と4項目の案件を中心に対応。会員制交流サイト(SNS)や動画配信サイトで多角的にアピールしたことで案件が着実に増えており、非認知能力の向上に向けた教育活動を推進する。

〈3期ぶりに純損益が黒字化/20年7月期〉

 菅公学生服の2020年7月期は、連結売上高が370億円(前期比3・6%増)、営業利益が6億円(627・3%増)、経常利益が3億円(179・2%増)、純利益が7800万円(前期は1億円の赤字)だった。

 新型コロナウイルスの感染拡大で一部夏物などの納入に影響が出たものの、スクールとスポーツの新規採用校の獲得が前年並みに堅調だったことから、売上高は5期連続で過去最高を更新。利益面も工場や物流センターをはじめとしたコスト削減が奏功して最終黒字となった。

 制服は売上高が242億円(4・3%増)だった。店頭商品で詰め襟学生服「カンコーインフィニスタ スマート&ブラック」などの販売が堅調に推移した。スポーツはカンコープレミアムの販売が本格化し、同ブランドの累計採用校数が100校を超えるなどして売上高を104億円(4・1%増)に伸ばした。

 教育ソリューション事業の認知も高まり、非認知能力の育成やキャリア教育に関する引き合いが増加した。