繊維ニュース

桐生テキスタイルコレクション2021/リモート含め新たな形で/“らしくない”生地も

2020年10月15日 (木曜日)

 桐生織物協同組合主催の「桐生テキスタイルコレクション2021」が8、9の両日、東京都渋谷区のウィズ原宿で開催された。群馬県桐生市(一部伊勢崎市)の繊維企業が一堂に会し、それぞれが得意技術を生かした商材を並べた。リモートで商談する企業も見られるなど、新しい形での展示会になった。

 桐生産地企業の合同展示会は、春の「桐生テキスタイルプロモーションショー(桐生TPS)」(桐生地域地場産業振興センター)と秋の桐生テキスタイルコレクションが企画されている。今年は新型コロナウイルス感染拡大を受けて桐生TPSが中止され、久しぶりの合同展開催となった。

 コレクション2021には、桐生絹織、桐生整染商事、小林当織物、CofH(シー・オブ・エイチ)、下島、須裁、津久弘織物工場、Tex.Box、トシテックス、ミタショーが参加した。オンラインで展示会場と桐生市内の本社を結んだほか、会場に来られない顧客とリモートで商談するなど、ウイズコロナ時代の新しい取り組みが見られた。

 小林当織物は「新型コロナ禍で高級婦人服地に求められるものも変わってくる」と話す。抗菌をはじめとする機能性がその一つとし、染色加工場と連携を図りながら開発・提案を進める。もう一つの重要なキーワードをサステイナビリティーと位置付ける。

 今回の展示会では旭化成のキュプラ繊維「ベンベルグ」を使った生地を積極訴求した。環境に優しいだけでなく、風合いや発色性に優れるベンベルグを緯糸に、経糸にナイロンを使った生地ではナチュラルなシワ感を表現した。ブースでは無地をメインにしたが、カットジャカードなどさまざまな対応が可能だ。

 ドビーを専門とする下島は、経糸と緯糸ともに多彩な品種の糸を使用するなど、「他社にはできない生地」の打ち出しで存在感を示した。コレクションブランド向けの婦人・紳士服地を手掛けるCofHは桐生で製織し、尾州産地で起毛を行うなど、「桐生でも尾州でもない“はざま”の生地」を見せた。

 ミタショーは、緯糸にウールやカシミヤを用いるなど、“桐生らしくない”ジャカードを披露した。テレワークの浸透もありブランケット用途で注目を集めた。津久弘織物工場はポリエステルを多用して変化を持たせた。Tex.Boxはハイブランドで評価を得るニードルパンチ生地を並べた。

 新戦略を推進する企業もある。桐生整染商事は自社ブランド「シルッキ」を立ち上げている。9月26日~10月3日に桐生市内でボトム(婦人)の試着会を実施したところ完売。須裁はアトリエショップ「チャーム」を開設した。のこぎり屋根の工場を改装した店で、「モノ作りの雰囲気を味わってもらえれば」と話す。